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医療連携パスに、“顔が見える”連携を。第1回「千葉県脳卒中連携の会」が開催

2010/05/27
取材・構成:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子、文責:日経BP社BPNet編集プロデューサー 阪田英也

脳卒中患者を支援し、
連帯感や信頼感を築く連携の会


特別講演後、シンポジウムに移り、国保松戸市立病院医療技術局長・鳥谷博英氏、新八千代病院院長・荒井泰助氏による「医師からみた共用パスの活用」。東京湾岸リハビリテーション病院師長・吉鶴法世氏による「看護師からみた共用パスの活用」。八千代リハビリテーション病院リハビリテーション科部長・今井基次氏による「リハビリテーションスタッフからみた共用パスの活用」。白金整形外科病院医療ソーシャルワーカー・佐藤潤氏による「MSW・福祉関係者からみた共用パスの活用」の発表が行われた。

「共用パスの活用」をテーマに、医師、看護師、リハビリテーションスタッフ、福祉関係者それぞれかの視点から「共用パス」の意義が指摘された訳だが、以下に重要なポイントを挙げる。

(1)脳卒中患者が、急性期から、リハビリテーション施設に転院してきた時に携えてきた紹介状と、実際の病態が違うなどといったクレーム対応についても、連携パスは有効。

(2)電子カルテ運用の現場では、コピーアンドペーストで経過記載ができることから、最初は面倒だと導入を渋っていた医師からも、良い使用感を得られた。

(3)機能分化と連携による医療提供体制が整えば、アクセスが適正化され、クオリティも向上し、地域での医療に対する信頼を得ることができる。

(4)回復期リハビリテーション病棟は、パス導入により、多職種にわたる前方後方連携を強化し、早期入院の促進、在宅復帰率を向上させることが可能。

(5)パスの導入により、急性期、回復期、地域生活期の流れが明確となり、対策支援に当たる前方後方連携がスムーズに行われる。その結果、各ステージにおける患者ケアの機能分化を促すことになり、地域医療の質を向上させることができる。

(6)パスは、共用の情報シートでポイントが絞られているため、見慣れれば、患者情報を採りやすくなり、しかも各部門からの情報が簡略化されて分かりやすく、必要な情報は概ね網羅されている。

~など、それぞれの立場から、好意的な報告がなされた。しかし、連携パスの欠点や改良点として、「入院診療計画書と通常の入院診療計画書の2通書かなければいけないのが面倒」「字が小さい、見づらい」「項目によってはもっと詳しい情報が必要」「項目が多すぎる」などが挙げられた。

シンポジストたちの発表後、特別講演を行った橋本、野尻両講師を助言者に、質疑応答が繰り広げられた。ここでは、医師、看護師、リハビリテーションスタッフ、福祉関係者が一同に会したことや、急性期、回復期、地域生活期の各従事者と会合が持てたことで、脳卒中患者を一緒に診ていくのだという連体感が生まれた。また、脳卒中患者のケアに携わる医療関係者が、互いに“顔の見える”関係となったことで、信頼感を共有し、1人の患者を様々な現場で、様々な職種が支援していくのが「脳卒中連携」であることを確認する有意義な会となった。

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