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医療連携パスに、“顔が見える”連携を。第1回「千葉県脳卒中連携の会」が開催

2010/05/27
取材・構成:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子、文責:日経BP社BPNet編集プロデューサー 阪田英也

在宅ドクターネットの会。
ICFの概念導入の重要性


続いて、熊本機能病院介護老人保健施設副施設長の野尻晋一氏が、脳卒中の回復期から維持期の連携をどのように構築していくかをテーマに講演した。


熊本機能病院介護老人保健施設副施設長 野尻晋一 氏

リハビリ施設に入所した患者が、その2日目で転倒する発生率が、過去7年間のデータで高かったことから、「転倒とりあえずタグ」を作成して注意を促すといった具体例を上げ、「特に最初の居室環境、回復期のベッド周囲の環境、あるいは患者が在宅に戻ってからの環境などを総合的にチェックし調整する必要があります。また、施設内のベッドや車椅子などは、多機種多種類を導入し、在宅に戻った場合のテクノエイドの問題をなくすように配慮しています」と、現場での実効的な工夫について言及した。

さらに野尻氏は、「在宅訪問スタッフは、脳卒中患者が自宅でリハビリを続ける場合、住宅改修や食事、排泄、入浴などで困らないという日常生活の指導だけをすればいいというものではありません。患者が地域の中でもう少し自分らしく、いきいきと暮らしていけるように、社会参加までを結びつけていく流れをつくる必要があります。熊本では、この社会復帰の流れを4期のステージに分けてつくり、その流れの中でいろいろな活動につなげていくように患者への啓発を図っています」と、語った。

また野尻氏は、「回復期から維持期、在宅となった場合、患者ケアの実務の8割近くは、地域の福祉職が担うことになります。その段階では、患者ケアに関する連携が、1対多数つまり、1チームから多チームにつないでいく必要性が出てきます。そこで熊本では、在宅医療を行うかかりつけ医やケアマネージャーを中心とした「在宅ドクターネットの会」を2008年に立ち上げ、なかなか主治医が見つからない患者にも、早期にサポートする体制を築き、連携が取りやすくなりました」と、在宅における患者ケアの工夫について説明した。

最後に「脳卒中の患者は、回復期病棟で180日間リハビリを受けて、8割程度は在宅に戻るといわれています。だが、どういう動作状態であるかを、24時間観察できる機器で調べた「生活活動時計」という指標によると、ヘルパーが来たときだけ起きて、あとは寝たきりということが多い。これではすぐに廃用を起こしてしまいます。患者の活動性を上げるためにも、趣味、地域の活動に参加するなど、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)の概念に基づいた連携の構築が必要」と、野尻氏は強調した。

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