日経メディカルのロゴ画像

医療連携パスに、“顔が見える”連携を。第1回「千葉県脳卒中連携の会」が開催

2010/05/27
取材・構成:21世紀医療フォーラム取材班 原田英子、文責:日経BP社BPNet編集プロデューサー 阪田英也

医療の均てん化と、治療、リハビリの継続性の大切さ


シンポジウムでは最初に、熊本市民病院神経内科部長の橋本洋一郎氏が登壇。「熊本県の脳卒中医療連携~熊本のこれまで、そしてこれから~」と題して、急性期と回復期の連携を中心に講演した。

脳卒中の治療は、発症当日と翌日で、大まかな医師の仕事は終わり、あとはナーシングケアとリハビリになるが、脳卒中専門施設にリハビリ専門医、リハビリスタッフが少ないことから十分な急性期医療が行われていないと指摘する。

リハビリの領域では、「泳いでいるイカがスルメになって、そのスルメがリハビリ専門病院に来ても、スルメのままである」という言い方がある。これは、「急性期病院で寝かされたまま、足が痩せ細って廃用症候群になった患者」が、リハビリ専門病院に転院しても、リハビリにはならないことを指し、急性期でしっかりリハビリを行うことが重要性を意味する。

その裏づけとして橋本氏は、神経内科と脳神経科が、急性期病院でも、患者を“寝たきり”にせず、リハビリ専門病院と連携して、患者の在院日数を急速に低下させたことをあげ、熊本の救急医療を大きく変えたことを述べた。

熊本の最大の財産は、「急性期病院との連携」、「維持期との連携」、「在宅との連携」をとる地域密着型のリハビリ専門病院(平均3カ月のリハビリを実施)が育ったことである。
「在宅との連携」では、最初の3カ月が勝負であること。テレビを見て寝てばかりでは廃用症候群になりかねないこと。過介護にならないようなプランが大事と橋本氏は、主張する。


熊本市民病院神経内科部長 橋本洋一郎 氏

連携パスの目的は、医療の標準化、つまり、主治医が誰になっても、ある一定のレベルの医療が提供できることであるが、パスの導入のみでは脳卒中診療のレベルアップにはならず、専門家の学際的チームによるストロークユニットの導入が必要であるという。

大事なことは、脳卒中の発症から在宅までの治療計画を作成し、患者に説明すること。そして、参加病院・施設の質の向上、治療の標準化、脳卒中の治療の継続とリハビリの継続による地域全体の脳卒中再発予防とQOLの向上などが留意すべき事項となる。

地域連携の目的は、地域の多くの患者が、広く平等に良い治療を受けられる「医療の均てん化」だが、多くの地域では、これが達成されていなし。そこで、地域連携パスで均てん化を図ることが進められている訳だ。

橋本氏は、「各ステージの医療が十分機能を発揮でき、救急の受け入れ拒否を回避するためにも、リハビリテーションと連携医療こそが救急医療を守るカギとなる。リハビリテーションの量の確保と質の向上、連携の強化を、ぜひ頑張ってほしい」と、千葉県へエールを送った。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ