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2005. 11. 15

【AHA2005速報】

血中γ-GTP値の高い人ほど心血管死のリスクが高い−−オーストリアのコホート研究

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心疾患 | 肝・胆・膵

 血中γ-GTP値の高い人ほど心血管死のリスクが高いことが、オーストリアのコホート研究で明らかになった。Innsbruck大学のElfriede Ruttmann氏が11月14日、セッション「BNP、Other Novel Risk Factors、and CVD」で発表した。

 最近の研究で、γ-GTP値が心疾患と関連があることが明らかになっている。Ruttmann氏らの研究グループは、16万3944人の集団を対象に、γ-GTP値と心血管死のリスクについて前向き調査を実施した。フォアアルルベルク州で行われているコホート研究(Vorarlberg Health Monitoring & Promotion Program)で、1985年から2001年までの17年間フォローアップされた。

 今回の研究では、γ-GTP値が正常値より低いグループ(男性は<14U/L、女性は<9U/L)と高いグループ(男性は>28U/L、女性は>18U/L)を対象に、確立した危険因子で調節したCox比例ハザードモデルを用い、ハザード比と95%信頼区間を求めた。

 その結果、男女とも、γ-GTP値が正常値より高いグループで、致死的な心血管イベントが有意に多く発生していた (p<0.001)。

 致死的な心血管イベントの発生を、γ-GTP値の増加あたりの調整ハザード比(95%信頼区間)でみると、男性で1.66(1.40-1.98)、女性で1.64 (1.36-1.97)となった。

 サブグループ分析によると、血中γ-GTP値の高い男性ほど、慢性冠動脈性心疾患 (p=0.009) 、うっ血性心不全 (p<0.001) 、出血性脳卒中 (p=0.01) 、虚血性脳卒中 (p<0.001) などによる死亡率が高いことが分かった。ただし、急性心筋梗塞による死亡との関連は有意ではなかった(p=0.16)。

 女性では、慢性冠動脈性心疾患やうっ血性心不全などの死亡率と有意に関連していたが、出血性脳卒中と虚血性脳卒中による死亡率との関連は有意でなかった。

 一方、年齢ごとのサブグループ分析では、若い年齢層で血中γ-GTP値の影響が強いという結果だった。心血管イベントを発症するハザード比は60歳未満のグループでは、男性が2.03(1.53-2.69) 、女性が2.60(1.53-4.42)という結果だった。

 これらの結果から研究グループは、「心血管死を予測する上で、血中γ-GTP値の重要性は高まっていくだろう」と指摘した。(三和護、医療局編集委員)

(日経メディカル)

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