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2005. 11. 22

抗TNFα薬は患者の就労時間を著明に増加させた――スウェーデンのデータベース(STURE)より

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関節リウマチ | バイオ医薬

 関節リウマチ(RA)の治療においては、患者の就労能力の維持・向上は患者本人やその家族、ひいては社会全体としての生産性という観点から、解決すべき重要課題の1つになっている。カロリンスカ大学(スウェーデン)のRonald Vollenhoven氏は、自国のデータベースを解析した結果、抗TNFα薬が患者の就労時間を大幅に増加させたとして、11月17日に口述発表を行った。

 Stockholm TNF-alpha follow-up registry (STURE)は、スウェーデンにおいて、抗TNFα薬による治療が行われた患者のプロファイルを収集したデータベースである。同氏らは、この中から就労に関係しない年金受給者や障害認定者、学生などを除外した上で、就労可能なRA患者566例のデータを抽出した。この母集団の背景は、平均年齢42.5歳、女性77%、リウマトイド因子保有率72%、DAS28スコア5.0、HAQスコア1.1であった。

 抗TNFα薬投与下における1週間あたりの就労時間の推移を調べた結果、治療開始前には22.3時間であったものが、1年後に有意な増加を認め、以降漸増して2年後には27.9時間、4年後には33.1時間へと増加していた。インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブの薬剤別にみても、この増加傾向に変わりはなかった。

 治療開始から1年後の就労時間を性差でみると、女性に比し男性で有意に改善したが、この相違は治療2年目以降になくなった。また、試験前の「年齢が若いほど」「疾患活動性(DAS28)が低いほど」「日常生活動作(HAQ)が良好なほど」、労働時間は有意に増加した。

 同氏は「抗TNFα療法による就労能力の改善は、患者本人と家庭の利益に帰するばかりか、社会的医療費負担の軽減にもつながり、極めて有益と考えられる」と語った。(水田吉彦、医学ライター)

(日経メディカル)

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