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2005. 11. 22

インフリキシマブなどを用いた早期・積極的治療で完全寛解率は2倍、関節破壊進行は10分の1に−早期RA患者を対象としたBeSt試験の結果より

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関節リウマチ | バイオ医薬

 関節リウマチ(RA)治療における新旧の治療戦略の比較は、RA治療に関わる多くの専門医にとって重要な示唆を与える。本学会ではそれを実際に行った多施設共同二重盲検試験BeSt試験のサブ解析が多数報告されている。その1つとしてVUメディカルセンター(オランダ)のVries Bouwstra氏は、臨床的寛解と関節破壊抑制の相関に関する報告を行なった。本演題は11月17日の口述演題として発表された。

 BeSt試験の対象は、DMARDによる治療歴がない早期(罹病期間2年以内)かつ活動性の関節リウマチ患者508例である。これらの症例を無作為に4群に割り付けた。第1群(単独投与)はメトトレキサート(MTX)で治療を開始し最大25mg/週まで増量するが、効果不十分の場合は、スルファサラジン(SSA)、レフルノミドに変更し、それでも効果不十分の場合はインフリキシマブ+MTXに変更する。第2群(step-up群)ではMTXより開始し最大25mg/週まで増量するが、効果不十分ならばSSA、ヒドロキシクロロキン(HCQ)、プレドニゾン(PRE)を順次追加し、それでもなお効果不十分ならばインフリキシマブ+MTXへ変更する。第3群(大量ステロイド併用療法群)ではPRE(60mg/日)+MTX+SSAから治療開始し、効果がみられたらPREを徐々に減薬、第4群(インフリキシマブ群)ではインフリキシマブ3mg/kg+MTXで治療開始し、効果不十分の場合はインフリキシマブを増量、逆に6カ月以上効果が継続して認められた場合はインフリキシマブを減量(3mg/kgの場合はインフリキシマブを中断)した。

 本検討では、DASで評価した疾患活動性が、試験開始後6カ月〜2年の間ずっと1.6未満を維持していたものを完全寛解とした。その結果、第1+2群では247例中21例に、第3+4群では261例中40例に完全寛解が認められ、両者間に約2倍の差が生じていた(p<0.018)。完全寛解が得られた患者のHAQスコアは、第1+2群と第3+4群で同等であったが、シャープスコア(vdH変法)の検出可能な最小変化(SDC)以上の変化を関節破壊の進行と定義したところ、関節破壊の進行が認められた症例の割合は、第1+2群の25%に対して第3+4群では2.5%と10分の1に抑制されていた(p<0.006)。

 同氏は、「早期からステロイド大量投与やインフリキシマブ療法など積極的な治療で完全寛解が得られた患者では、関節破壊の抑制も良好であった。しかし、単剤投与およびstep-up治療による完全寛解では、HAQが良好であるにも関わらず、関節破壊が進行している場合があるので注意を要する」と述べた。(水田吉彦、医学ライター)

※本演題は海外で行われた臨床試験であり、インフリキシマブの国内未承認用量が含まれます。


(日経メディカル)

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