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2005. 11. 18

インフリキシマブの投与により骨密度低下が抑制

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関節リウマチ | 骨粗鬆症

 フランスCivils病院RA研究施設のHubert Marotte氏は、インフリキシマブが1年間にわたって投与された関節リウマチ(RA)患者では、骨密度が低下することなく維持されていたことを報告した。しかも、この効果はインフリキシマブで疾患活動性のコントロールが十分に得られなかった患者においても認められたという。本演題は11月16日のポスターセッションにて発表された。

 同氏は、メトトレキサート(MTX)の効果が不十分でインフリキシマブが併用された86例のRA患者(インフリキシマブ群)を対象に、dual energy X- ray absorptiometry(DEXA法)による骨密度測定を行い、対照との比較検討を行った。対照は、DAS28スコアを一致させたMTX単独療法の80例(MTX群)である。なお、インフリキシマブ群とMTX群において年齢(それぞれ49歳、60歳)、男性の比率(21%、9%)に有意差がみられた。ステロイド併用率は、それぞれ60%、50%で有意差はなかったが、過去のステロイド使用経験(78%、59%)には有意差がみられた。

 1年間の投与の結果、MTX群では試験前に比し、脊椎および大腿骨骨頭の骨密度が有意に低下していた(p<0.01)。一方、この低下はインフリキシマブ群には認められず、脊椎および大腿骨骨頭の骨密度は試験前と同程度に維持されていた。また、血中の副甲状腺ホルモン(PTH)値は、インフリキシマブの1年間投与によって有意に増加しており(p<0.005)、これはMTX群に認められなかった。

 インフリキシマブ群のうち、DAS28スコアが1.2ポイント以上改善した患者群(レスポンダー;インフリキシマブ群の71%)と、改善しなかった患者群(ノンレスポンダー)に分けて解析しても、大腿骨骨頭、腰椎および脊椎の骨密度の低下抑制効果には有意な差が認められず、インフリキシマブによる骨密度の維持効果は臨床症状改善によらず、すべての患者で認められた。

 同氏は、本結果について「インフリキシマブの投与によって、骨密度は低下することなく維持され、この効果は疾患活動性のコントロールが得られない患者においても認められた。インフリキシマブの炎症に対する効果と骨代謝に対する効果は、独立しているのかもしれない。いずれにしても、インフリキシマブの骨密度低下抑制効果は患者にとっての大きな利益となるだろう」とコメントした。(水田吉彦、医学ライター)


(日経メディカル)

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