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2005. 11. 18

SLEと関節リウマチのアテローム性動脈硬化症リスク増に、抗炎症作用のないHDLが関与か

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 全身性エリテマトーデス(SLE)と関節リウマチ(RA)の人は、アテローム性動脈硬化症(ATH)のリスクが増すことが知られているが、高血圧や高コレステロール値など、通常のリスク因子では説明できないことが、これまでにわかっている。今回、高比重リポたんぱく(HDL)でも、低比重リポたんぱく(LDL)の酸化を阻害する作用のないHDL(pro-inflammatory HDL: piHDL)が、SLEやRAを持つ人のATH発症に関与する可能性を示す、研究結果が出た。これは、米California大学Los Angeles校のMaureen McMahon氏が、11月16日に開催された米国リウマチ学会のコンカレント・アブストラクト・スーパーセッションで発表したもの。なおこれまでに、別の非SLE患者を対象にした研究で、脂質値は正常でありながらATHを発症した人のうち、90%でpiHDLが見つかっている。

 McMahon氏らは、SLEの女性154人と、年齢と性別を一致させた対照群72人、RAの女性48人について、piHDL値を測定した。測定値は、正常HDLがある場合にはスコアが1未満、piHDLがある場合にはスコアが1超を示した。

 測定の結果、SLE群の平均スコアは1.02、RA群は0.80、対照群は0.68と、それぞれ有意差があった。各群でpiHDLがあった人は、SLE群の44.7%、RA群の20.1%、対照群の4.1%と、それぞれ有意差があった。

 さらに、SLE患者でATHを発症した10人のHDLについて調べたところ、そのうち8人でpiHDLが認められた。

 同研究グループは、この結果をもとに、SLEやRAの患者に対する、ATH発症に関するハイリスクグループのスクリーニングが可能になるかもしれないとした。その上で、そうした患者に対しては、スタチンを投与するなど、予防策を講じることができるとしている。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

(日経メディカル)

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