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2005. 11. 18

トシリズマブの長期投与が全身型若年性特発性関節炎に有効

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骨・関節 | バイオ医薬

 横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学教授の横田俊平氏(写真)らの研究グループは、全身型若年性特発性関節炎を対象にした抗インターロイキン6受容体抗体トシリズマブ(商品名:アクテムラ)の長期投与臨床試験で、病態が有意に改善しその改善効果は3年間まで持続することを見出した。120週目で100%の患者でJIAコアセットで50%を達成し、90%の患者でJIAコアセットで70%を達成した。成果は11月17日に米国サンディエゴで開催された米国リウマチ学会のACR Concurrent Abstract Session 「Pediatric Rheumatology:Clinical Features and Treatment」で発表された。

 研究グループが実施した試験は、オープンラベルの3年間投与する試験で難治性の全身型若年性特発性関節炎患者11人が登録された。患者は短期的なトシリズマブの投与を受けたあと、1週間置きに体重1kgあたり2mgから8mgのトシリズマブの投与を受けた。一定量のNSAID、サイクロスポリン、メトトレキサートの使用は可としたが、腫瘍壊死因子阻害剤と注射薬のステロイドの使用は試験期間中不可とした。病態はJIAコアセットの変化で評価した。主要評価ポイントはJIAコアセットの30%の改善に置いた。

 試験の結果、患者は10カ月から35カ月、トシリズマブの投与を受けた。投与期間中、ステロイドは次第に減少させていったのに対して、トシリズマブの投与量は病態のレベルと炎症マーカーがより低いところで維持できるようにした。その結果、10人の患者で、最後の測定でJIAコアセットの70%の改善をみた。さらに10人の患者ではステロイドの減量に成功した。死亡例は見出されず、副作用は軽度の感染症と一時的なALT値とコレステロール値の上昇だった。1人の患者は10カ月目で長期間のステロイドとNSAIDの投与によると考えられる十二指腸の穿孔のため、試験からはずれた。最も重篤な副作用は2例での肺炎だった。

 現在50人以上の患者を対象にプラセボを置いた試験を実施しているという。(横山勇生)

(日経メディカル)

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