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2005. 11. 17

体内のセレニウム値が少ないと膝骨関節症リスクが増、足の爪の測定で明らかに

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 体内のセレニウム値が低いと、膝骨関節症リスクが増えることが、900人超の足の爪を調べ、明らかになった。米North Carolina大学のJoanne M. Jordan氏が、11月15日に開催された米国リウマチ学会のACR Concurrent Abstract Sessionで発表した。西洋諸国でセレニウムと骨関節症の関連について調べた疫学試験は、これが初めてという。なお、中国での、セレニウムの極度な欠乏とカシン‐ベック病発症との関連は、これまでに発表されている。

 Jordan氏らは、白人と黒人合わせて940人について、調査を行った。被験者の平均年齢は59.8歳、うち男性は33%だった。同氏らは、被験者の足の爪を採取し、機器中性子放射化分析(INAA: Instrumental Neutron Activation Analysis)でセレニウム値を測定した。なお、足の爪は比較的ゆっくりと成長するため、長期の体内セレニウム値を反映するという。

 また、被験者の膝X線撮影を行い、Kellgren-Lawrence(K-L)グレードで2〜4の人を、膝骨関節症と定義した。なお、交絡因子として考えられる、年齢、性別、人種、BMI(肥満指数)については補正を行った。

 その結果、セレニウム値が0.1ppm増す毎に、片足の膝骨関節症、両足の膝骨関節症、K-Lグレードで3以上の重度膝骨関節症のオッズ比は、それぞれおよそ15〜20%減少した。具体的には、セレニウム値の毎0.1ppm増に対するオッズ比は、片足膝骨関節症が0.85(95%信頼区間:0.72〜1.00)、両足の膝骨関節症が0.79(同:0.65〜0.96)、重度膝骨関節症が0.82(同:0.69〜0.98)だった。

 また、セレニウム値の上位3分の1のグループの、下位3分の1のグループに対するオッズ比は、片足膝骨関節症が0.62(95%信頼区間:0.37〜1.02)、両足膝骨関節症は0.54(同:0.31〜0.97)、重度膝骨関節症は0.56(同:0.34〜0.94)だった。

 なお、こうした傾向は、特に女性と黒人で顕著だったという。

 Jordan氏は、今後の研究課題として、「セレニウムのサプリメントを適量摂取することが、骨関節症の予防や進行を遅らせる効果があるかどうかを見極めることだ」としている。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

(日経メディカル)

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