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2005. 11. 16

DMARDとの比較で、インフリキシマブは死亡リスクを増加させない−英国コホート研究の解析結果より

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関節リウマチ | バイオ医薬

 疾患活動性の高い関節リウマチ(RA)患者の死亡リスクは、一般人口よりも高いことが知られている。インフリキシマブなどによる抗TNFα療法は、現在、最も有効性の高い治療法とされているが、感染症など、生命予後に影響をあたええかねない副作用には注意が必要であり、総合的にRA患者の生命予後に対しどのような影響を与えるのかがしばしば議論される。この点に関し、英国マンチェスター大学のKath D Watson氏が、11月14日のポスターセッションにおいて英国コホート研究の解析結果を発表した。

 同氏は、Brithish Society for Reumatology Biologics Resisterに登録された 抗TNFα薬治療を開始した患者コホート(以下、抗TNFα薬コホート:8,313例)と、従来のDMARD治療を受けた患者コホート(以下、DMARDコホート:1,106例)において死亡率を比較した。抗TNFα薬コホートおよびDMARDコホートの患者背景には若干の差が認められ、それぞれのコホートにおける平均年齢は56.0歳と59.5歳、喫煙歴は21.7%と25.1%、DAS28スコアは6.65と5.14、HAQスコアは2.08と1.57、罹病期間は13.7年と8.8年であった。

 DMARDコホートは抗TNFα薬コホートに比べ高齢、低疾患活動性かつ罹病期間が短い傾向がみられた。このため、患者背景の補正を行いCOXハザード分析にて死亡リスクを再評価した。その結果、インフリキシマブ投与例の死亡リスクは、DMARDコホートの1.0倍(95%信頼区間:0.6-1.8)、エタネルセプト投与例では1.1倍(95%信頼区間:0.6-1.9)、アダリムマブ投与例では1.4倍(95%信頼区間:0.7-2.6)であった。なお、抗TNFα薬コホートにおける死亡原因で、最も多かったのは循環器疾患(29%)であった。

 同氏は本解析について、「大規模なコホートにおいて厳密な背景補正を加えたことから、このデータの信頼性は高い。インフリキシマブ投与例の死亡リスクがDMARD投与例と変わらなかったことは、われわれRA専門医にとって朗報といえる」と述べた。(水田吉彦、医学ライター)

(日経メディカル)

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