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2005. 11. 16

全身性骨粗鬆症の抑制にインフリキシマブが期待された−OSTRA試験の解析結果より

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 関節リウマチ(RA)では、関節の滑膜細胞やマクロファージ、リンパ球から産生される各種の生理活性物質が破骨細胞を活性化し、関節近傍の骨密度を低下させる「傍関節性骨粗鬆症」を発症する。さらに病期が進行すれば、疼痛のために身体活動能が低下し、その結果、次第に全身の骨密度が低下する「全身性骨粗鬆症」に至るという。VU大学メディカルセンター(オランダ)のMarijn Vis氏は、そうしたRAの骨粗鬆症が、インフリキシマブによっていかに抑制されるのかを検討、11月14日のポスターセッションで報告した。

 同氏らは、ノルウェー、英国、オランダの3国共同でOSTRA試験を企画し、インフリキシマブによる治療前後での骨粗鬆症抑制効果を検討した。同試験における対象は1年間インフリキシマブ(投与量中央値:7.5mg/kg)が投与された活動性RAの102例で、女性が8割強、平均年齢54歳、罹病期間1〜49年であった。骨密度の測定は股関節、脊椎および手関節で行われた。

 1年後、半数近くの患者でインフリキシマブの臨床症状改善効果は良好に持続していた(良好群)。股関節および脊椎における骨密度は、良好群では治療前値に比べ、それぞれ0.77%と0.74%の増加を示した。また、良好群と非良好群を比較したところ、脊椎および手関節ではインフリキシマブ治療前後で有意差は認められなかったものの、股関節では有意な改善が認められた(p<0.05)。このことから、インフリキシマブによる全身性骨粗鬆症の抑制効果が期待された。

 Vis氏は、「RAでは、炎症の強い関節、痛みの強い関節で骨密度が大きく減少する。全身性骨粗鬆症がみられない患者でも、とくに手関節では骨密度の著明低下をしばしば経験する。インフリキシマブは、全身性骨粗鬆症の抑制効果が期待でき、また有意差はなかったものの手関節において認められた著明な骨密度の低下を抑制する傾向も認められた」とコメントした。(水田吉彦、医学ライター)

(日経メディカル)

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