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2005. 11. 16

抗トロンボポエチン抗体の有無でSLE患者の血小板減少症の治療法を選択

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 慶応義塾大学医学部先端医科学研究所細胞情報研究部門専任講師の桑名正隆氏(写真)らは、抗トロンボポエチン受容体(TPOR)抗体の有無を調べることで、全身性エリテマトーデス(SLE)患者の約20%に起こる血小板減少症の治療法選択が行える可能性を見出した。成果は11月15日、米国サンディエゴで開催されている米国リウマチ学会のACR Concurrent Session「SLE: Clinical Aspects I」で発表された。

 桑名氏らは特発性血小板減少性紫斑病患者で見出されている自己抗体である抗GPIIb/IIIa抗体と抗TPOR抗体の有無をSLEの血小板減少症患者で調べると共に、治療に対する反応性を調べた。32人のSLEの血小板減少症患者のうち、88%にあたる28人が抗GPIIb/IIIa抗体が陽性で、22%にあたる7人が抗TPOR抗体が陽性であった。32人中29人が抗GPIIb/IIIa抗体と抗TPOR抗体のどちらかか両方が陽性だった。抗体の陽性比率は特発性血小板減少性紫斑病患者で見られる比率と同様だった。

 自己抗体と治療効果の関係を調べたところ、抗TPOR抗体が陽性であるとステロイド療法と免疫グロブリンの大量投与療法に抵抗性になることが明らかになった。32人の患者でステロイド療法に対する抵抗性を調べたところ、抗TPOR陽性患者では無効例が86%だったのに対して、抗TPOR陰性患者では無効例が12%だった。この結果について桑名氏は、抗TPOR抗体の場合は幹細胞の段階から障害を受けている可能性があると指摘、抗TPOR抗体が陽性の場合には「早い時期から多剤の併用などより強力な治療をしていく必要がある」と語った。また、免疫グロブリンの大量投与療法では、調べた15例のうち抗TPOR抗体が陽性例5例全例が抵抗性となった。免疫グロブリンはFcγ受容体を抑えることで効果を発揮するが、抗TPOR抗体はFab部分で障害を引き起こすため、効果がないと考えられるという。(横山勇生)

(日経メディカル)

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