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2005. 11. 15

学会開幕講演、「リウマチ治療の生物学的革命は治癒を実現する可能性秘める」

 関節リウマチ治療の第一人者として知られる、英国Imperial College名誉教授のSir Ravinder Maini氏(写真)は、13日に行われた学会開幕講演で、「1980年以降続いているリウマチ治療に関する生物学的革命は、今後、治癒を達成する可能性を秘めている」と語った。同講演の表題は、「科学、技術と臨床医療の架け橋:関節リウマチの新治療法の発見」だった。同氏は、Marc Feldmann氏と共に抗TNF療法の開発に貢献し、1990〜2002年までロンドンのKennedy Institute of Rheumatologyの所長を務めたことで知られている。

 Maini氏は講演の中で、同氏らが現在行っている研究の経過について触れ、「メトトレキサートとTNF阻害薬の併用療法が、関節破壊の進行を抑制するのみならず、起こってしまった関節破壊を癒す働きがあることが、既にマウスで証明され、ヒトについては試験の最中である」点を明らかにした。

 また関節リウマチ治療の近い将来の課題としては、「より低価格のTNF阻害薬の開発と、関節リウマチ患者のおよそ15%にあたるTNF阻害薬に無反応なグループに対する代替治療の開発」の2点を挙げた。

 そして講演の後半で同氏は、臨床治験に対する英国政府の規制が厳しく、学術団体のみによる治験の実施が経済的に極めて難しい点や、優秀な人材が医療分野よりもビジネス分野に進む近年の傾向などを指摘し、「(同講演の表題にある)“橋”は、遠すぎて架けられない可能性もある」と皮肉った。最後は、アインシュタインの名言を応用し、「医療の進歩にとって、想像力は知識よりも大切だ」と結んだ。(アンドリュー・テンヘイブ、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

(日経メディカル)

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