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2005. 11. 14

インフリキシマブは活動性RA患者のQOLを迅速に改善――START試験の解析結果より

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関節リウマチ | バイオ医薬

 2004年のACRで、欧州12カ国の医療機関が参加し、約1000例の関節リウマチ患者を対象にインフリキシマブの有効性と安全性を検討したSTART試験の中間解析結果が発表され、同薬の安全性を確認することを1次エンドポイントに設定した初めての大規模・二重盲検試験として注目された。今年のACRでは、試験終了を受けて1年間の検討結果が報告され、改めて注目を集めた。インフリキシマブは、活動性RA患者のQOLを迅速に改善させたという。ガストゥイスベルク大学(ベルギー)のRene Westhovens氏が、11月12日の重要ポスター討議会場で発表した。

 本試験では無作為化・二重盲検法により、メソトレキサート(MTX)併用下において、プラセボまたはインフリキシマブ3mg/kg、10mg/kgが投与された。対象は、3カ月間以上のMTX治療でも効果不十分であった活動性RA患者であり、試験開始時のQOL(SF-36*による評価)は身体面・精神面ともに大きく損なわれていた(身体面総合評価:一般人口平均50点vs本試験対象の平均30点)。

 プラセボ群のQOLは、治療開始22週後まで、臨床的に有意な改善を認めなかった。そのため、医療倫理的な配慮から、同群には22週後からインフリキシマブ3mg/kgを併用することとなり、その結果、QOLの著明改善が得られた(身体面総合評価は、54週後で7.0ポイント増加した)。

 一方、インフリキシマブ併用群では、3mg/kg、10mg/kg のいずれにおいても、6週後にSF-36の全項目がプラセボ群に比べて有意に改善し、その効果は第54週まで維持された(3mg/kg群における身体面総合評価は6週後で5.8ポイント増加、54週後で7.4ポイント増加)。なお、インフリキシマブ3mg/kg群と10mg/kg群との比較では、10mg/kg群がわずかに優れる傾向がみられたものの、QOLの改善効果はほぼ同等であった。

 同氏は、「3カ月程度のMTX治療で効果がみられなければ、速やかにインフリキシマブ併用を開始すべきだと思う。活動性RA患者のQOLがこれほど迅速に改善されたのは、インフリキシマブの優れた臨床効果によるものと言える」と締めくくった。(水田吉彦、医学ライター)


*SF-36:「身体機能」「体の痛み」「日常役割機能(身体)」「全体的健康感」「活力」「社会生活機能」「日常役割機能(精神)」「心の健康」「身体面総合評価」「精神面総合評価」の各項目からなる。


※本演題は海外で行われた臨床試験であり、インフリキシマブの国内未承認用量の記述が含まれます。

(日経メディカル)

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