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2005. 11. 14

SLE免疫寛容誘導モデルマウスから取り出した樹状細胞が別のマウスに免疫寛容を誘導

 米国Northwestern大学のHee-Kap Kang氏(写真)は、特定のペプチドを投与して免疫寛容を誘導した全身性エリテマトーデス(SLE)モデルマウスから取り出した樹状細胞を、別のマウスに移植すると、そのマウスにも免疫寛容が誘導できることを見出した。SLEの樹状細胞療法につながる成果で、11月13日に開催された米国リウマチ学会のACR Basic Research Conference「Session III:Dendric Cells and Immunological Tolerance」で発表された。

 Kang氏らはSLEのモデルマウスであるSNF1マウスに、ヒストンたんぱく質の1つであるH4の部分ペプチド(71−94)の0.36nMを皮下に移植すると免疫寛容を誘導できることを見出していた。そこで、免疫寛容を誘導したマウスから樹状細胞とB細胞を取り出し、別の免疫寛容を誘導していないSNF1マウスに6週間で3回、それぞれ移植する実験を行った。対照群にはPBSを接種したSNF1マウスから取り出した樹状細胞、もしくはB細胞をSNF1マウスに移植したものを利用した。

 その結果、移植終了後2カ月で、対照群のマウスでは80%が重度の蛋白尿を引き起こしていたのに対して、免疫寛容マウス由来のB細胞を移植したマウスでは50%、免疫寛容マウス由来の樹状細胞を移植したマウスでは20%にとどまった。

 また、2カ月後の時点で生存しているSNF1マウスは、免疫寛容マウス由来の樹状細胞を移植したマウスでは100%であったのに対して、B細胞を移植したマウスでは25%が死亡し、対照群のマウスでは50%が死亡した。

 さらに、Kang氏らは、免疫寛容マウス由来のB細胞ではなく、樹状細胞がTreg細胞を誘導することによって、ヌクレオソームに対する自己反応性のT細胞を最大で80%抑制していることを確認した。(横山勇生)

(日経メディカル)

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