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明日から実践! 栄養指導
緑黄色野菜を食事に取り入れ コレステロールの酸化を防ぐ
日経DI2015年9月号

2015/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年9月号 No.215

Recipe3 緑黄色野菜のカラフルラタトゥイユ

上のレシピを、DI Onlineのウェブサイト(http://di.nikkeibp.co.jp)からダウンロードできます。パスワードは「recipe」です。

 LDL-コレステロール(LDL-C)は“悪玉コレステロール”と呼ばれますが、それ自体は生体機能の維持に必要な物質です。本当の悪玉は、「酸化LDL-C」で、次のようなメカニズムで動脈硬化を引き起こします。

 通常、血管壁の内膜を覆う血管内皮細胞が血管拡張や血小板凝集抑制作用を持つ物質を産生し、それによって血管機能は正常に保たれています。しかし、喫煙などによって活性酸素が過剰な状態(酸化ストレス)になったり、高血圧や糖尿病では、血管壁の内膜が傷つき、血管保護作用が適切に働かなくなってしまいます。

 すると、血管壁に血中のLDL-Cが入り込み、酸化LDL-Cへと変性します。さらに酸化LDL-Cを取り込んだマクロファージ(貪食細胞)が泡沫細胞に変化して血管壁に付着し、プラーク(粥腫[じゅくしゅ])となります。このプラークが破れると、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓が形成されます。

 動脈硬化が気になる患者さんには、LDL-Cの酸化を防ぐ抗酸化物質を食事に取り入れるよう勧めましょう。抗酸化物質は、フリーラジカルを吸収して自らが酸化されることで、細胞傷害や脂質の酸化を防ぐとされています。

 抗酸化物質を多く含む食品としては、アセロラ、いちご、ブロッコリー、パプリカ(多く含まれる抗酸化物質:ビタミンC)、ナッツ類、かぼちゃ、ほうれん草、アボカド(ビタミンE)、にんじん、モロヘイヤ、ほうれん草(βカロテン)があります。また、ブルーベリー(アントシアニン)、そば(ルチン)、大豆(イソフラボン)、緑茶(カテキン)、トマト(リコピン)、ごま(セサミン)、玉ねぎ(ケルセチン)なども抗酸化物質を豊富に含んでいます。 

 これらの抗酸化物質を多く含む野菜や果物を積極的に取っている人は、心血管系疾患にかかるリスクが低いことが疫学研究で示唆されています。一方で近年、栄養素欠乏のない健康な人がβカロテンのサプリメントを摂取すると、総死亡が増えるとの結果がランダム化比較試験のメタ解析で示されました。

 薬局での栄養指導は、安易にサプリメントの摂取を勧めることではありません。食習慣を改善し、普段の食事でバランス良く栄養を取る方法を提案しましょう。

 今回は、緑黄色野菜をおいしく取れるレシピとして、ラタトゥイユを紹介します。かぼちゃやにんじん、ピーマン、トマトの水煮を使い、見た目も鮮やかです。調理には不飽和脂肪酸を多く含むオリーブ油を使います。お好みでズッキーニやパプリカを加えてもよいでしょう。

執筆
松林 梨花
アップル薬局水戸店 管理栄養士

アップルケアネット(東京都江戸川区)では、管理栄養士を一部の店舗に配置し、処方箋調剤だけでなく栄養指導も含めた健康支援を実施。特定保健指導や薬膳料理の試食会も行っている。

*レシピの栄養価は参考値です。患者に栄養指導を行う際は、食物アレルギーの有無を考慮するとともに、調理時には食材の特定原材料表示を確認するよう伝えてください。

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