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DIクイズ2(A)
DIクイズ2:(A)リクシアナが減量された患者
日経DI2015年4月号

2015/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年4月号 No.210

出題と解答:今泉 真知子
(有限会社丈夫屋[川崎市高津区])

A1

(3)60kg超

A2

(1)ジスロマック(アジスロマイシン水和物)

 心房細動は加齢に伴い有病率が上昇することが知られている。高齢化が進む2030年には、患者数が100万人を突破すると予想されている。心房細動が生じると、心房内の血液の流れがよどんで血栓ができ、それが動脈血流に乗って脳血管を塞栓することがある。これが心原性脳塞栓症である。

 心房細動患者のうち、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の既往、高血圧や糖尿病を有するなど、脳梗塞のリスクが高いと判断される患者には、心原性脳塞栓症の発症を防ぐ目的で抗凝固療法が行われる。

 内服の抗凝固薬は従来、ワルファリンカリウム(商品名ワーファリン他)しかなかったが、近年ラインアップが充実し、直接トロンビン阻害薬のダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(商品名プラザキサ)、血液凝固第X因子(FXa)阻害薬のリバーロキサバン(イグザレルト)、同アピキサバン(エリキュース)、同エドキサバントシル酸塩(リクシアナ)が使用可能となっている。

 Gさんに処方されているエドキサバンは、2011年7月に下肢整形外科手術(膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術)における静脈血栓塞栓症の発症抑制を適応として発売され、非弁膜性心房細動の適応は14年9月に追加された。適応追加に伴い、従来の15mg錠、30mg錠に加えて60mg錠が同12月に発売された。30mg錠と60mg錠は形も色も異なる。

 非弁膜性心房細動に対するエドキサバンの用量は、体重60kg以下の場合は30mg/日、60kg超の場合は60mg/日である。Gさんには他剤との併用期間が終われば60mg/日に戻す内容で処方されているので、Gさんの体重は60kg以上であると想定される。

 ただし、体重60kg超であっても、腎機能が低下した患者では減量が必要である。クレアチニンクリアランス(CCr)が30mL/分以上50mL/分以下の場合は30mg/日に減量、同15mL/分以上30mL/分未満は慎重投与、同15mL/分未満は禁忌である。

 また、エドキサバンはP糖蛋白の基質であり、P糖蛋白阻害作用を持つ薬剤の影響を受ける点にも注意が必要である。添付文書の併用注意欄には、ベラパミル塩酸塩(ワソラン他)、エリスロマイシンエチルコハク酸エステル(エリスロシン他)、シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル他)、アジスロマイシン水和物(ジスロマック他)、クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス他)、イトラコナゾール(イトリゾール他)、ジルチアゼム塩酸塩(ヘルベッサー他)、アミオダロン塩酸塩(アンカロン他)、HIVプロテアーゼ阻害薬など、多数の薬剤が記載されている。これらの薬剤と併用する場合、エドキサバンを30mg/日に減量する。

 今回、Gさんの主治医はアジスロマイシンを3日間併用するため、その期間エドキサバンを減量して処方したと考えられる。エドキサバンの製造販売元の第一三共によれば、アジスロマイシンの血中動態を考慮すると、併用薬の投与期間が過ぎれば、元の60mg/日に戻して問題はないとのことであった。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 Gさんがお飲みになっているリクシアナは、体重や腎臓の状態、他の薬との飲み合わせによって、飲む量が変わります。

 今回Gさんには、かぜのために、ジスロマックというお薬が3日分処方されています。このジスロマックというお薬は、リクシアナに影響を及ぼすことが分かっていますので、ジスロマックを飲む3日間だけ、リクシアナの量が半分になったと考えられます。

 リクシアナの30mg錠は、このピンク色の錠剤です。これをジスロマックと一緒に3日間お飲みになり、飲み終わったら今までと同じように、黄色の60mg錠をお飲みください。

参考文献
1)荒木博陽監修『ハイリスク薬チェックシート 第2版』(2013年、じほう)

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