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調剤報酬請求の落とし穴
計量混合調剤加算の査定例、分包品の混合では算定不可
日経DI2015年3月号

2015/03/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年3月号 No.209

水口錠二●Mizuguchi Jyoji
事務職員として医療機関に勤務後、独立して医療コンサルタントとなる。現在、池坊短期大学文化芸術学科教授として診療報酬、保険制度、関連法規、医業経営などの指導に教鞭を取りながら、病院、診療所、調剤薬局の経営コンサルティング、調剤報酬請求指導、査定対策指導、職員研修などを行っている。

 今回は、調剤報酬請求時に査定された、計量混合調剤加算(以下、計量混合加算)の事例を紹介する。

表1 調剤報酬における計量混合調剤加算の主な規定

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 計量混合加算の点数は、液剤35点、散剤・顆粒剤45点、軟・硬膏剤80点である。表1に計量混合加算の算定要件を示した。同加算は1調剤行為に対して算定できる点数であり、別の剤あるいは別の調剤(同一剤でも日数が別)で重複して算定可能である。なお、調剤料の加算の中には、別剤でも他の加算点数と同時算定できない場合もあるため(表2)、注意が必要である。

表2 各加算の同時算定の可否(内服薬の場合)

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※別剤において同時算定する場合。同一剤の場合はいずれも同時算定できない。

 計量混合加算を算定する際、自家製剤加算とどちらを算定するか、迷うケースが多いのではないだろうか。

 厚生労働省の疑義解釈では、「自家製剤加算は個々の患者の特性に合わせ、市販されている剤形、含量では対応できない場合の製剤技術を評価したものであり、原則、剤形変更が伴う場合に算定可能である。一方、計量混合加算は、剤形変更を認めない散剤、顆粒剤、液剤、軟・硬膏剤の混合の場合に算定する」としている。

 例えばドライシロップは明らかに溶解が容易であり、液剤との混合に特段の技術は不要と考えられる。そのため、自家製剤加算は算定できず、表1の(イ)の通り、計量混合加算の対象となる。ただし、ドライシロップではない散剤と液剤を混合した場合は、自家製剤加算を算定できると解釈されている点には留意しておきたい。

審査事例
一包化加算の査定(1)

 上記のような処方があり、薬局の事務職員は2種類の散剤を計量し混合したと判断して計量混合加算を算定したが、査定を受けたケースである。

 経験のある事務職員や薬剤師ならすぐに分かると思うが、上記2種類の薬剤にはいずれも処方箋に記載された1回量の分包品が存在し、一般に用いられている。計量混合加算は、実際に計量・混合したかがポイントとなるが、分包品を用いれば当然、計量する必要がないため、算定できない。

 このような査定を回避するには、薬局で取り扱っている散剤などのうち、分包品が存在するものを一覧表にまとめておくなどの工夫が有効と思われる。

 なお、仮に医療上の必要性があるとして医師の指示の下でこれらの薬を混合し分包したとしても、一包化加算の要件(2剤以上の内服薬、あるいは1剤で3種以上の内服薬)に該当しないため、薬局の負担または患者の実費負担にせざるを得ない。

審査事例
計量混合加算の査定(2)

 この事例では、(1)と(2)の両方で計量混合加算を算定したが、(2)での加算が査定された。確かに(1)、(2)とも計量・混合を要するため、それぞれ加算の要件を満たすように見える。しかし、計量混合加算は表1(ア)にあるように、1調剤につき算定できるものである。(1)と(2)は服用時点が同一であり服用日数も同じであり、別々に調剤するよう指示があったとしても、1調剤としてカウントされる。従って計量混合加算は、1調剤の7日分を算定できるのみである。

 ただし、混合すると変性するなどの薬学上の理由から分包を別にする必要性がある場合には、異なる剤として扱われるため、それぞれが1調剤となり、計量混合加算を算定できる。

 また、(1)と(2)の服用時点が同じでも、服用日数が異なれば別々の1調剤となるため、前述のように、それぞれ計量混合加算を算定できる。

審査事例
計量混合加算の算定漏れ(1)

 上記は、(4)について計量混合加算の算定漏れをしたケースである。内服薬の調剤料は3剤までしか算定できないため、通常は調剤日数の短い(4)を除き調剤料を算定する。このとき、調剤料を算定しない(4)の計量混合加算を算定し忘れたというものである。

 計量混合加算や自家製剤加算の解釈と調剤料の解釈は混同しがちだが、上記のように調剤料で4剤目に該当するなどで調剤料を算定しない部分についても、計量混合加算や自家製剤加算は算定できる。このような解釈は外用薬についても同様なので、算定漏れに注意したい。

審査事例
計量混合加算の算定漏れ(2)

 外用薬も、計量混合加算を算定し忘れるケースが多い。表1の(ア)にある通り、同加算は外用薬についても1調剤につき加算が認められている。上記の場合、(1)と(2)は別々の調剤となり2調剤と計算できる。実務上見落としがちなため、例に挙げておく。

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