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DIクイズ3(A)
DIクイズ3:(A) ビ・シフロールの一包化を求められたら
日経DI2015年2月号

2015/02/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年2月号 No.208

出題と解答 :後藤 洋仁
横浜市立大学附属病院薬剤部

A1

プラミペキソール塩酸塩水和物は光に対して不安定であるため。

先発品のビ・シフロールに関しては、光照射による安定性試験で含量および溶出率の低下が認められている。

 パーキンソン病は、静止時振戦、強剛(固縮)、無動(動作緩慢)、姿勢反射障害などの運動症状を特徴とする疾患である。50代後半~60代に発症するケースが多く、神経変性の進行に伴い、日常生活動作(ADL)の低下や生命予後の短縮を来す。薬物治療では、年齢や重症度、合併症などを考慮して、L-ドパとドパミンアゴニストを中心に複数の薬剤を併用するのが基本とされる。

 Gさんには、ドパミン神経伝達に作用するプラミペキソール塩酸塩水和物(商品名ビ・シフロール、ミラペックス他)およびレボドパ・カルビドパ水和物(ネオドパストン、メネシット他)、アマンタジン塩酸塩(シンメトレル他)が処方されている。このうち、プラミペキソールは光に不安定であることが知られており、例えば先発品のビ・シフロールに関しては、光照射による安定性試験で含量と溶出率の低下が認められている。そのため、ビ・シフロールは両面アルミニウムブリスター包装を採用して光の透過を防止している。加えて、同薬の添付文書の「適用上の注意」には、「本剤は光に対して不安定なため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること」と記載されている。

 今回、Gさんは振戦の悪化により、PTPシートから薬剤を押し出すのが困難になったため、一包化を希望している。筆者の調べでは、19銘柄あるプラミペキソール0.5mgの後発品のうち、錠0.5mg「EE」、錠0.5mg「タカタ」 、OD錠0.5mg「トーワ」 に関しては、添付文書に「光に対して不安定である」「服用直前にPTPシートから取り出すこと」といった記載はない。これら3製品のうち、「EE」および「タカタ」に黄色三二酸化鉄が、「トーワ」には三二酸化鉄が添加剤として配合されている。黄色三二酸化鉄および三二酸化鉄は着色料の一種で、特定波長の光を吸収することで製剤の光安定性を高めるとされる1)。プラミペキソールを一包化する際には、これらの後発品を選択するようにしたい。なお、他のプラミペキソールの後発品の中には、PTPシートに赤色や橙色のフィルムを挟むことで、光の透過を防止しているものもある。

 先発品のビ・シフロールが白色の錠剤であるのに対し、前述の添加剤により、「EE」および「タカタ」は淡黄白色、「トーワ」は淡赤色を帯びている。患者が不安を抱かないよう、先発品からこれらの後発品に変更する場合には、錠剤の色調の違いについても説明するようにしたい。また、添付文書上、これらの後発品の貯法は「遮光・室温保存」となっている。このため、一包化薬の交付時には、アルミ缶などの遮光・密閉容器に入れて室温で保管するよう、患者に説明すべきである。

 なお、ビ・シフロールはパーキンソン病および中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)に対して保険適応を持つのに対し、プラミペキソールの後発品はパーキンソン病のみに適応がある点に注意が必要である。また、プラミペキソール徐放性製剤のミラペックスLAは、湿度の影響を受けやすいため、服用直前にPTPシートから取り出すこととされている。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 小さなお薬を毎回シートから取り出すのは大変ですよね。ご要望通り、1回分ずつ薬をパックさせていただきます。

 ただ、こちらのビ・シフロールというお薬は光に弱いので、同じ成分で、光の影響を受けにくいジェネリック医薬品に変更させていただきたいと思います。これまでは白い錠剤でしたが、淡い黄色の錠剤に変わります。これは光の影響を受けにくくする着色料が入っているためで、効果に違いはないのでご安心ください。また、ご自宅では、光を通しにくい密閉容器に入れて、室温で保管してください。

 ジェネリック医薬品に変更することについては、私どもから先生にお伝えしておきます。お薬をご用意いたしますので、お掛けになってお待ちください。

参考文献
1)調剤と情報 2012;18:1209-13.

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