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「健康ナビステーション」の基準作成に着手 ほか
日経DI2015年2月号

2015/02/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年2月号 No.208

「健康ナビステーション」の基準作成に着手
薬局の健康情報拠点事業の継続に2億2300万円を確保、15年度予算案

 厚生労働省は2015年度予算案で「薬局・薬剤師を活用した健康情報拠点の推進」事業費として2億2300万円を確保した。14年度からスタートした同事業を充実・発展させ、より効果的な取り組みを全国で展開する考えだ。また15年度には、健康情報拠点としてふさわしい薬局(健康ナビステーション[仮称])の基準作成にも着手する。

 薬局の健康情報拠点事業は、14年度から全国47都道府県で実施されている。15年度には、これら事業の評価を踏まえ、課題の改善、事業規模の拡大(内容や対象薬局数の拡大、他都道府県との連携など)、他都道府県のモデル事業の導入などを行う計画だ。

 基準には、(1)健康相談体制や設備、(2)OTC薬の販売体制、(3)地域包括ケアを踏まえた他機関との連携─などが盛り込まれる見通しだ。具体的な基準の内容は、薬局関係者だけでなく、医師会や医療関係者、有識者も含めた検討会を設置して検討するが、「薬局の積極的な取り組みを促すことが目的であり、現状でほとんどの薬局が満たすものにはならない」(厚労省医薬食品局総務課)。高いハードルが設定されそうだが、基準を満たす薬局名を公表するなどのインセンティブも検討しているという。

 加えて厚労省は、重複頻回受診者に対する訪問指導として1.9億円を予算案に計上した。この事業は、レセプトなどの情報から選定した重複・頻回受診者などに訪問指導を実施することにより、適正受診の促進を図るもの。これまでは保健師が主に訪問指導を実施していたが、薬剤師の役割も明文化された。

 このほか、「地域医療介護総合確保基金による医療・介護提供体制改革」のため、公費904億円(国費602億円、地方301億円)を予算案に盛り込んだ。薬局・薬剤師に関連する事業として、在宅医療を提供する体制の整備に対する助成事業や、医療従事者の確保・養成を推進する事業などが実施される見通しだ。


20項目の検査値を院外処方箋に表示
川崎市立多摩病院が開始、聖マリアンナ医科大病院も計画中

 川崎市立多摩病院は、院外処方箋における患者の検査値表示を、15年1月から開始した。

 院外処方箋に表示するのは、身長、体重、検査値の一部。表示される検査値は、過去3カ月以内に測定された、肝・腎機能や血液凝固能、血糖、脂質、電解質に関連する20項目(白血球数、血色素量、血小板数、総ビリルビン、AST、ALT、アルカリホスファターゼ、尿素窒素、血清クレアチニン、クレアチニンキナーゼ、プロトロンビン時間[国際標準比]、HbA1c[NGSP値]、カリウム、ナトリウム、カルシウム、リン、血清アルブミン、HDLコレステロール、LDLコレステロール、血清尿酸)。

 電子カルテの更新時期に合わせて処方箋への検査値表示を開始した。同院薬剤部長で、同病院の管理運営を行っている聖マリアンナ医科大学病院の薬剤部長を兼任する増原慶壮氏によると、聖マリ医大病院でも、電子カルテの更新時期に合わせて検査値表示を開始する計画だ。

 11年に福井大学医学部附属病院が、院外処方箋への検査値表示を初めて開始した。その後、院外処方箋に検査値を表示する病院が徐々に増えつつある。検査値表示により院外処方薬の安全性が向上すると期待されている。


保険薬局の“構造的な独立”
「総合的な判断が必要」
あっせん受け厚労省が解釈

 厚労省保険局医療課は、14年10月に受けた総務省からのあっせんに応えるかたちで、保険薬局の“構造的な独立”について、「フェンスうんぬんではなく、不特定多数の者が自由に往来することが予定されている空間であるかどうかも含めて、総合的に判断すべき」との見解を、14年12月25日に各地方厚生(支)局に事務連絡した。

 不特定多数の者が自由に往来できる空間としては、1)都市計画に基づく、公共的な歩行者通行空間として整備されているもの、2)不特定多数の者の憩いの場、回遊の場であるいわゆる提供公園として整備されているもの─を挙げている。


SGLT2阻害薬
重大な副作用に脱水を追加
未発売含む6成分7製品で

 厚労省は、15年1月9日、全てのナトリウムグルコース共輸送担体(SGLT)2阻害薬(6成分7製品、未発売のエンパグリフロジン[商品名ジャディアンス]を含む)の添付文書を改訂し、使用上の注意の「慎重投与」の項に「脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)」を追加するほか、「重大な副作用」の項に「脱水」を追加するよう指示した。既に添付文書の改訂は終了している。

 これは、イプラグリフロジン、ダパグリフロジン、トホグリフロジンの投与症例で脱水関連の副作用報告が集積したことを受けたもの。


月齢6カ月以上に初適応
アレグラドライシロップ
供給体制が整い発売に

 アレルギー性疾患治療薬のアレグラドライシロップ5%(一般名フェキソフェナジン塩酸塩)が、15年1月19日に発売された。14年1月に製造販売承認を獲得し、当初14年7月に発売開始が予定されていたが、供給体制が整わず発売延期されていた。

 今回初めて、月齢6カ月以上の乳幼児への処方が可能となった。適応は、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴う掻痒。用法・用量は、6カ月以上2歳未満の小児には1回15mg、2歳以上12歳未満には1回30mg、12歳以上には1回60mgを1日2回、用時懸濁して経口投与する。


一般用医薬品のリスク区分
ナシビンMスプレーは第2類
エンペシドは第1類のまま

 厚労省は、15年1月8日、製造販売後調査終了に伴うリスク区分の検討を行い、OTC薬の第1類医薬品である鼻炎用点鼻薬オキシメタゾリン塩酸塩(商品名ナシビンMスプレー)を第2類医薬品に変更することを了承した。膣カンジダ再発治療薬クロトリマゾール(エンペシドL)は第1類に据え置かれた。これは薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で審議されたもの。どちらも既存の類薬と同じリスク区分となる。

 加えて厚労省は、ペミロラストカリウム(内用剤に限る、アレギサール鼻炎)を、1月11日付で要指導医薬品から第1類医薬品に移行すると通知した。


全国レセプト情報分析
10代への抗精神病薬処方が
9年間で約1.5倍に増加

 6~18歳の小児への抗精神病薬や抗うつ薬などの向精神薬処方が、02年から10年の9年間で増加傾向にあることが示された。医療経済研究機構が1月13日に発表した。特に、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬と抗精神病薬の処方が有意に増加していた。

 18歳以下の外来患者延べ約23万件を対象に全国レセプト情報を分析。02~04年に比べて08~10年では、6~12歳への処方割合(レセプト100件当たりの処方件数)が、抗精神病薬は58%、ADHD治療薬は84%増加。13~18歳でも、抗精神病薬は43%増加し、ADHD治療薬は2.49倍となっていた。


聖マリ医大病院が
電子お薬手帳に対応
他院の薬歴を印字して活用

 聖マリアンナ医科大学病院は、14年12月から、電子お薬手帳「harmo」に対応できるシステムを稼働させた。紙のお薬手帳を持たず、Harmoカードのみを持参した患者の他院における薬歴を、レシート状の紙に印字した上で診察に役立てるというもの。

 現在、川崎市や横浜市における200近い薬局がharmoを導入し、利用者は4000~5000人程度。同病院の処方内容をharmoに書き込むことはまだできないが、「薬薬連携の推進のためにも、院内の電子カルテと連動できるようにしていきたい」と、同病院薬剤部長の増原慶壮氏は語る。


類薬から処方薬を選ぶ理由は
「使用経験の長さ」と
「院内採用」が2大理由

 日経メディカルOnlineの医師読者を対象にした調査の結果、作用機序が同じで、効果、副作用にほとんど差を認めない類薬の中では、「先発品であるなど、使用経験が長い」(37.1%)ことが、処方薬を決める上で最も重視されることが示された。次いで「院内で採用されている」が選択理由となっていた(28.3%)。

 「薬価が低い」8.9%、「日本人のエビデンスが豊富」8.2%、「販売元が信頼できる、イメージが良い」6.4%、「特に明確な理由はない」5.2%、「日本の製薬企業が販売している」2.3%、「服用しやすい剤形」1.7%だった。14年12月に調査を実施し、2985人の医師が回答した。


新薬DIピックアップ
タケキャブ錠《2014年12月26日製造販売承認》
カリウムイオンに競合して酸分泌を抑制するPPI

 酸関連疾患治療薬のボノプラザンフマル酸塩(商品名タケキャブ)が、2014年12月26日に製造販売承認を取得した。適応は、成人における胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎の治療、低用量アスピリンや非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)投与時の胃・十二指腸潰瘍の再発抑制、ヘリコバクター・ピロリの除菌補助。

 同薬はプロトンポンプ(H+、K+-ATPase)をカリウムイオン競合的に阻害して酸分泌を抑制するカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)だ。従来のプロトンポンプ阻害薬(PPI)と同じ作用点を標的とするが、PPIが酸による活性化を必要とし、かつ酸性環境下で不安定なのに比べ、同薬は酸による活性化を必要とせず、酸性環境下で安定という。

 胃・十二指腸潰瘍の治療としては、1回20mgを1日1回経口投与する。通常、胃潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与となる。逆流性食道炎に対しては、胃・十二指腸潰瘍と同量を通常4週間まで投与するが、効果不十分の場合は8週間まで延長可能だ。また、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法として、1回10mgの1日1回経口投与が認められ、同用量で効果不十分の場合は1回20mgまで増量できる。低用量アスピリンやNSAIDs投与時における胃・十二指腸潰瘍の再発抑制では、1回10mgを1日1回経口投与する。ピロリ菌の一次除菌から使用でき、その場合は1回20mgをアモキシシリン水和物(1回750mg)とクラリスロマイシン(1回200mg)の2剤と同時に1日2回、7日間経口投与する。クラリスロマイシンは必要に応じて1回400mg1日2回まで増量できる。この用量による治療で除菌が不成功の場合は、クラリスロマイシンの代わりにメトロニダゾール1回250mgを用い、1日2回、7日間経口投与することも可能だ。

 ランソプラゾールと比較した7つの第3相臨床試験では、有意に増加する有害事象は認められていない。

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