DI Onlineのロゴ画像

InsideOutside
何とかしてほしい麻薬の問題 不動在庫は年間75億円に!
日経DI2015年1月号

2015/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年1月号 No.207

 薬局には、どうにかならないかと思う問題が多々ある。その中で、年末になると思い出すのが麻薬の問題だ。なぜ年末かというと、麻薬小売業者免許の更新の時期だからだ。

 2014年度の調剤報酬改定で、麻薬小売業者免許が基準調剤加算算定の必須条件とされたことからも明らかなように、麻薬の取り扱いは薬局にとって必須になりつつあるが、麻薬の問題はまだほとんど解消されていない。

 麻薬の問題は、大きく分けて三つあると考えている。

 第一に、麻薬小売業者免許の期限の短さである。その期限は免許を受けた日から翌年の12月31日までだ。薬局開設許可の期限が6年なのに比べてあまりに短い。おかげで麻薬小売業者免許を約2年ごとに更新し、更新料を払わなければならない。それだけ麻薬は厳正な管理が必要ということかもしれないが、同じく厳正な管理が必要な毒物劇物販売業も6年、高度管理医療機器等販売業・貸与業も6年だ。麻薬小売業者免許だけ短いことには疑問を感じる。他の免許とそろえて6年でもいいのではないか。

 第二に、麻薬を卸に注文しても当日配達がほぼ不可能なことだ。これは卸が麻薬を取り扱う専任者を限定しているためで、麻薬の配達はその専任者の都合に従わざるを得ず、配達は翌日となってしまう。特に在庫が無い麻薬が金曜日に処方された場合など、薬局ではお手上げの時もある。配達するものが麻薬である以上、色々難しいのは承知しているが、せめて土曜日配達をしてくれる卸が出てこないものだろうか。

 第三に、これが最も厄介であるが、麻薬の不動在庫である。麻薬は種類も規格も非常に多い。例えばある麻薬の貼付剤など1枚当たりの用量に応じて5種類もの規格がある。麻薬は返品が一切認められないので、不動在庫は増えるばかりだ。日本緩和医療薬学会が薬局124施設にアンケートしたところ、12年9月末までの1年間における麻薬の不動在庫は全薬局合計で約2700万円、過去3年間に破棄した金額は約722万円だったという。麻薬小売業者免許を有する薬局全てに換算すると、年間不動在庫は推計約75億円、廃棄は3年間で約20億円となるらしい。これはあまりにも無駄である。麻薬の返品を認めることを、真剣に考えてもいいのではないか。

 もちろん、行政も麻薬の問題について何もしてこなかったわけではない。例えば09年9月には、薬局間の麻薬譲渡について一部規制が緩和された。だが率直な意見を言わせてもらえばまだ不十分だ。薬局間の麻薬譲渡は特例的な許可を得ても、在庫量の不足により調剤できない場合にしか認められていない。自由に相互融通することは認められていないのだ。これではあまり役に立たない。そもそも面倒な手続きをするぐらいなら、在庫が有る薬局を患者に紹介した方がよほど簡単だ。薬局間で麻薬譲渡を行うことなど、実際にはあまり無いのではないか。

 在宅医療の推進により、薬局が麻薬を取り扱う機会はますます増えていくだろう。筆者の薬局の麻薬金庫も、在庫が増えて既に満杯状態だ。このままでは金庫を増設しなければならなくなると思うと、金銭的にも場所的にも頭が痛い。せめて未開封の在庫を返品できれば、どれほど助かることか。

 どうか麻薬の問題が少しでも解消の方向へ進むよう、新たな年を迎えるに当たって祈りたい。

(みち)

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ