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OTCトレンドウォッチ
抗アレルギー薬他
日経DI2015年1月

2015/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年1月号 No.207

抗アレルギー薬他

 本稿では、抗アレルギー薬と咳・気管支炎用薬の新製品を紹介する。

グリチルリチン酸を新配合

 もうすぐ花粉症の季節がやってくる。エージーノーズアレルカット(第一三共ヘルスケア)は、従来のエージーノーズの処方に、抗炎症成分グリチルリチン酸二カリウムを新たに配合した製品で、点鼻薬(下写真)と点眼薬がある。

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 エージーノーズは、1997年にスイッチ化されたクロモグリク酸ナトリウム配合のOTC薬として、日本で初めて開発された抗アレルギー薬である。ケミカルメディエータ遊離抑制作用があるクロモグリク酸のほか、第1世代抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩、交感神経のα1刺激作用により強い末梢血管収縮作用を有し持続性のあるナファゾリン塩酸塩が配合されている。

 今回、新たに配合されたグリチルリチン酸は、ステロイド骨格を有しグルココルチコイド様作用の抗炎症作用を持つ。同じ成分量で、l-メントールや香料を配合した「すっきりクールタイプ(C)」(写真右)、エタノールを含まずに染みない「さっぱりソフトタイプ(S)」(写真中央)、カルボキシビニルポリマーを添加してとろみを付けた「患部に留まるモイストタイプ(M)」の3製品があるので、購入者から使い心地の好みを聞いて薦めるとよいだろう。

 効能効果は、花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる鼻アレルギー症状の緩和で、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、頭重(頭が重い)を訴える患者に効く。7歳以上から使用でき、1回両鼻腔内に1噴霧ずつ、1日3~5回まで、3時間以上空けて使用する。使用後は眠気を催すことがあるため、乗り物や機械類の運転操作を避けるよう注意する。

 抗アレルギー薬の点鼻薬は使用効果を実感しやすいが、使い過ぎると受容体のダウンレギュレーションが起こり、かえってひどい鼻づまりを誘発する恐れがある。患者には、用法・用量を守るよう、必ず伝えておきたい。

痰が多くて切れにくい咳に

 ダスモック(小林製薬)は、清肺湯(せいはいとう)のエキス製剤である。医療用の清肺湯エキス顆粒に含まれる各生薬の1日量が1/4~1/2と少なめに配合されている。効能・効果は、体力中等度で痰が多くて切れにくい咳、気管支炎である。

 清肺湯は、湿性の咳を鎮める作用を有する生薬を多数含み、さらに清熱作用を有するオウゴンやサンシシなどが配合された方剤である。気道粘液の分泌を促して繊毛の動きを活発化させるとともに、気管支の炎症を鎮めて呼吸しやすくする。

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 排気ガスや煙などの大気汚染やタバコなどの刺激により、慢性的に痰の多い咳が出る患者に向いているが、喫煙者であれば必ず禁煙を勧めたい。

 成人15歳以上1日3回、1回1包を食前または食間に服用する。副作用として間質性肺炎や肝機能障害が表れる恐れがある。そのため販売時には、少しの活動で息切れや息苦しくなったり、空咳や発熱などが持続するようであれば、間質性肺炎の疑いがあるので服用を中止してすぐに受診するように注意を促す。また、カンゾウを0.5g含むため、他の漢方との併用による過量摂取に注意する。

 このほか乳糖が配合されているので、牛乳を飲むと下痢症状が出る乳糖不耐症患者には、お腹が緩くなる可能性を伝え、気になるようであれば避けるようアドバイスしておく。

三上 彰貴子
Akiko Mikami
株式会社A.M.C 代表取締役社長、薬剤師
製薬会社勤務後、コンサルティング会社勤務を経て2005年から現職。医療分野のコンサルティングを行う傍ら、一般用医薬品に関する寄稿や講師の活動も行う。

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