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薬局なんでも相談室1
相談室1:オストメイトに特徴的な処方はある?
日経DI2015年1月号

2015/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年1月号 No.207

 消化管ストーマは、便の排泄口が大腸(結腸)にある場合と、小腸(空腸や回腸)にある場合に大別されますが、それによって薬剤の吸収が異なります。まずは、ストーマがどこに作られたのかを患者さんに確認しましょう。

 空腸や回腸のストーマは、消化管穿孔などにより緊急回避的に作られることが多く、一時的なものがほとんどです。そのため、薬局薬剤師が接するオストメイトは、結腸にストーマがあることが多いと思われます。

 結腸にストーマがある場合は、薬剤の吸収についてそれほど気にすることはありません。薬剤は主に小腸で吸収されるため、薬剤の代謝は同一と考えられるからです。そのため、ストーマを作ったからといって、薬剤の処方内容に影響を与えることはあまりないと思います。

 一方、ストーマが空腸や回腸にある場合には、薬剤が十分に吸収されない可能性が考えられます。例えば、ワルファリンカリウム(商品名ワーファリン、ワルファリン他)は上部消化管で吸収されるため、空腸にストーマがあれば十分に吸収されない恐れがあります。このようにストーマが空腸や回腸に作られた場合、上部消化管で吸収される薬剤は処方内容が変更されることも予想されます。

 オストメイトによく処方される薬剤としては、下剤や止痢薬など便性を調節する薬剤が挙げられます。便が硬ければ便秘になるため、下剤などを用いて便性を調節する必要があります。逆に、便が軟らか過ぎる場合には、ストーマ袋をおなかに粘着させる面板から漏れやすくなるため、止痢薬を使うことがあります。ロペラミド塩酸塩(ロペミン他)、天然ケイ酸アルミニウム(アドソルビン)などが処方されていれば、便が軟らか過ぎて便性のコントロールに苦労しているのではないかと推察できます。

 便性を調節するために、医師が処方した薬剤に加えてOTC薬を併用している患者も少なくありません。そのこと自体は大きな問題ではないのですが、OTC薬に依存している状況があるならば、その原因をきちんと調べて適切に処方するのが本来は望ましいあり方といえるでしょう。

 このほか薬局では、なぜその方がオストメイトになったのかを把握しておくことも大切です。消化器系の癌が原因でオストメイトになった場合には、抗癌剤が投与されているかもしれません。

 抗癌剤では様々な有害事象が出現します。例えば、オキサリプラチン(エルプラット)が投与されている場合、末梢神経障害によりしびれが出て、手先の動作に影響することがあります。ストーマは自分で扱うものなので、手のしびれは患者にとって大きな負担となります。このような有害事象が出る可能性があることをあらかじめ伝えておくと、患者の意識は随分と違ってくるはずです。

 また、オストメイトでよく問題となるものにはゴーストピルが挙げられます。服用した薬剤の“抜け殻”がそのまま排泄される現象で、自然肛門の方にもみられますが、オストメイトではストーマ袋に排出されて“抜け殻”がそのまま目に見えてしまいます。薬剤はきちんと吸収されているので問題はないのですが、「薬が吸収されていないのでは?」と、不安に感じることもあるでしょう。オキシコドン塩酸塩水和物(オキシコンチン、オキノーム他)などゴーストピルが出る可能性がある薬剤が処方されている場合には、事前に説明しておくとよいでしょう。

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