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DIクイズ1(A)
DIクイズ1:(A)ムコソルバン後発品の徐放OD錠
日経DI2015年1月

2015/01/10

日経ドラッグインフォメーション 2015年1月号 No.207

出題と解答:後藤 洋仁
(横浜市立大学附属病院薬剤部)

A1

気管支拡張症の症状が悪化する早朝に合わせて、痰の排出困難の改善に必要な血中濃度を実現するため。

A1

(ア)(1)喀痰中のフコースとシアル酸の構成比の調整、
(イ)(2)肺サーファクタントの分泌促進

 気管支拡張症は、気管支内壁が感染や炎症を繰り返すことで、不可逆的に気管支が拡張する疾患である。症状としては膿性痰とともに慢性の咳嗽が見られ、寛解の維持が治療の目標となる。

 痰は、気道から分泌されるムコ多糖類を主成分としており、気管支壁の防御機能や異物輸送機能を果たす重要な粘液である。炎症を起こした気道は、粘液の分泌量を増やし、その粘性も高まる。これにより呼吸困難を生じたり、咳症状が悪化したりする。

 また、痰の喀出量には日内変動があり、副交感神経が優位となる就寝時から早朝にかけて増加し、排出が困難になることが知られている。これは、副交感神経が優位になることで血漿中のコルチゾールレベルが低下すると、気管支や肺の表面を覆って肺の伸展を助ける働きをする肺サーファクタントの合成・分泌が減り、同時に血漿中のカテコールアミン濃度が低下することで、肺の繊毛運動が低下するためである。

 さて、痰を取り除く代表的な薬剤として、Lカルボシステイン(商品名ムコダイン他)とアンブロキソール塩酸塩(ムコソルバン他)とが挙げられる。

 Lカルボシステインは、喀痰中のフコースとシアル酸の構成比を正常化するほか、炎症を抑制、粘膜を正常化させて痰を排出しやすくする作用がある。通常、成人では1回500mgを投与するが、500mg錠は横長で大きく飲みにくいため、円形で小さい250mgの2錠を1回分として処方されることがある。アンブロキソールは、肺サーファクタントと気道液の分泌を促し、気管支における繊毛運動を活発化することで、喀痰の排出を促進する。なお、これらと名称が似ているムコスタ(一般名レバミピド)は、粘膜を保護するプロマタグランジンE2の合成を促進するとともに、抗炎症作用を有する薬剤で、胃炎や胃潰瘍を適応としている。

 Gさんがアンブロキソールを夕食後に服用するように指定されている理由は、気管支拡張症の日内変動と関連していると思われる。早朝には、痰の分泌量が増加し、咳で目が覚めやすくなるが、夕食後のタイミングで服用すれば、夜半から早朝にかけて薬物血中濃度が高まり、症状が抑えられやすくなる。

 アンブロキソールの先発品であるムコソルバンLカプセルは、速放性顆粒と徐放性顆粒を組み合わせてカプセル内に封入している。このような、薬物放出速度が異なるユニットで作られた徐放化方式を、「マルチプルユニット型」と呼ぶ。

 マルチプルユニット型の徐放製剤は、単一のユニットで作られた「シングルユニット型」の製剤に比べ、薬物の放出速度が安定しているのが特徴である。

 現在、4社が発売している後発品のアンブロキソール徐放OD錠は、先発品に更に製剤技術を追加し、マルチプルユニット型の口腔内崩壊錠としている。より服用しやすいよう剤形に工夫をした後発品といえる。マルチプルユニット型の主な口腔内崩壊錠としては他にタケプロンOD錠(ランソプラゾール)が挙げられる。なお、シングルユニット型の主な製剤には、オキシコンチン錠(オキシコドン塩酸塩水和物)、アダラートCR錠(ニフェジピン)などがある。

 アンブロキソール徐放OD錠は、1包化でも摩耗や落下に耐えられるような作りとなっているため、自動分包機に搭載することが可能である。ただし、上段カセットの使用による破損が起きたという報告もあるため、できるだけ下段カセットを使用することを推奨したい。また、OD錠であるため、簡易懸濁も可能である。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 ムコソルバンは、夕方以降に飲むと、夜中や朝に効き目が出やすくなり、その時間に悪化しやすい咳や痰を抑えることができるのです。先生の指示通り、夕食後に飲むようにしてください。カプセルが大きくて飲みにくい場合には、口の中で溶けるタイプの錠剤がありますので、変えてみてはいかがでしょうか。ジェネリック医薬品ではありますが、1回の服用でカプセルと同じように長時間効果が続く工夫がされています。

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