DI Onlineのロゴ画像

OTCトレンドウォッチ
Market◎便秘薬・浣腸剤
日経DI2014年12月号

2014/12/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年12月号 No.206

 OTC薬における便秘薬と浣腸剤を合わせた便秘関連薬市場は年間300億円強。2013年度は便秘薬が266億円、浣腸剤が53億円で、最近5年間でみると両カテゴリーともに販売は減少傾向である(図1)。販売動向に季節的な動きは少なく、13年度の販売を月別でみても、年間を通して安定している(図2)。3月は消費税の増税前の特需である。

図1 便秘薬と浣腸剤の販売額と年次推移(SDIによる)

画像のタップで拡大表示

図2 2013年度の便秘薬と浣腸剤の月別販売額(SDIによる)

画像のタップで拡大表示

 人によっては店頭での購入に抵抗がある薬効であるため、インターネット販売を含めた購入経路の多様化が注目されるカテゴリーの一つである。

 購入者の割合は年代が上がるにつれ増加する。特に、65歳以上の家族がいる人の年間の購入総金額は高めの傾向がある。普段の食習慣では便秘を改善できない人や、便秘薬の服用に頼る人の割合が、年齢を重ねることで増加するためと考えられる。また、浣腸剤などは介護需要の割合も大きいことが想定される。

 一方で、近年では若年層に向けた便秘薬ブランドの発売や、浣腸剤を意識させないパッケージ、ネーミングの製品も発売されるようになり、市場活性化に向けた潜在需要の掘り起こしを狙うメーカーもある。今後の服用者層、利用者層の拡大が期待される。(林)

林 芳行
Yoshiyuki Hayashi
株式会社インテージヘルスケア事業本部 SDIインデックスマネージャー
同社のSDI(全国一般用医薬品パネル調査)をはじめとした、OTC薬の市場動向について分析している。市場調査・マーケティングリサーチのパイオニアであるインテージで、OTC薬を含むヘルスケアを担当。

SDI(全国一般用医薬品パネル調査):全国3211店の薬局・店舗販売業、ドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンターを対象に、OTC薬をはじめとしたヘルスケア関連のPOSデータを収集し、情報提供するインテージのサービス。


注目の便秘薬・浣腸剤

 便秘とは一般に、3~4日便が出ない、または便が出ても残便感がある場合であり、2~3日に1回でも排便が定期的にあれば便秘ではないとされる。毎日排便がないからとOTCの便秘薬や浣腸剤に頼る人がいるが、長期連用は避けるべきである。薬局では食生活を含めて便の状態を聴取し、便秘薬や浣腸剤の必要性を確認したい。

大黄甘草湯に基づく製品

タケダ漢方便秘薬

武田薬品工業 第2類医薬品

 タケダ漢方便秘薬(武田薬品工業)は、4錠中に大黄甘草湯エキス散を800mg含む便秘薬。茶褐色の裸錠で、大黄と甘草の独特の匂いがある。小児は5歳から服用でき1日2錠まで、成人15歳以上は4錠まで服用できるが、便通の具合を見ながら、半錠~1錠ずつ増減する。割線が入っているので、スプーンのふくらみを利用して割る、ハサミで切るなど、上手に半錠にする方法を伝えておきたい。

 アントラキノン系(センナ、大黄、アロエなど)の大腸刺激性下剤を4カ月以上または大量服用することにより、大腸粘膜が黒く色付く大腸黒皮症(大腸メラノーシス)を引き起こすことがある。発症により腸の機能が低下し、さらに便秘が悪化する悪循環となるので、注意を促したい。妊娠時は便秘になりやすいが、大黄の子宮収縮作用および骨盤内臓器の充血作用により流早産の危険性があるため避ける。また大黄により、服用後に尿が橙色~赤色になることがあると伝えておきたい。

11歳から使用できる便秘薬

コーラックファースト

大正製薬 第2類医薬品

 コーラックファースト(大正製薬)は、成人1日最大量の4錠中に、刺激性下剤のビサコジル10mgと湿潤性下剤のジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)32mgを含む。同シリーズのコーラックとコーラックIIのビサコジル含量が1錠当たり5mgであるのに対し、コーラックファーストは半量の2.5mgで、少量から細かく調節ができる。

 pHによって腸で溶けるように設計されているため、牛乳や制酸剤などと一緒に服用しないように注意したい。牛乳などを飲んだ後は1時間以上空けて服用する。ビサコジルは腸管からほとんど吸収されず乳汁移行は認められないため、授乳婦の服用は可能である。

薬液残りが少ない浣腸剤

イチジク浣腸ジャバラ

イチジク製薬 第2類医薬品

 イチジク浣腸ジャバラ(イチジク製薬)は、1個(30g)中に日局グリセリンを15g含む浣腸剤である。容器が蛇腹の形状になっており、指の力が弱くても楽に押すことができ、薬液の残りが少ない。使用しても排便に至らない場合には、30分~1時間空けてから、もう一つ使う。1日2本まで使うことができる。薬液が冷たいと刺激を強く感じることがあるので、特に冬は人肌程度(40℃弱)に温めて使うよう勧める。

 イチジク浣腸にはこのほか、10g、20g、30g、40g製剤があり、年齢などによって推奨される商品が異なる。薬局では、使用方法の説明と合わせて適切な商品選びをサポートしたい。

三上 彰貴子
Akiko Mikami
株式会社A.M.C 代表取締役社長、薬剤師
製薬会社勤務後、コンサルティング会社勤務を経て2005年から現職。医療分野のコンサルティングを行う傍ら、一般用医薬品に関する寄稿や講師の活動も行う。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ