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TOPICS
医薬品医療機器等法が施行 ほか
日経DI2014年12月号

2014/12/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年12月号 No.206

医薬品医療機器等法が施行
薬事法が改称、「再生医療等製品」も対象に

 薬事法が大幅改正に伴い改称され、医薬品医療機器等法として11月25日に施行された。改正法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品に加え、新たに再生医療等製品も同法による規制の対象となった。

 再生医療等製品とは、ヒトの細胞に培養や遺伝子導入などの加工を施したもののうち、身体の再建・修復や疾病の治療・予防に用いるもの。原料となる細胞が不均質であるため、限られた治験症例数では有効性の予測が難しいという特性がある。そのため、安全性が確認され、有効性が推定できた段階で、条件・期限付きで早期承認する仕組みを設けた。これに関連して同日、従来は医療機関が行っていた細胞の培養・加工を企業などに外部委託することを認め、そのルールを定めた「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(再生医療等安全性確保法)も施行された。

 医薬品・医療機器に関しては、添付文書に最新の知見を反映し、速やかに医薬品医療機器総合機構(PMDA)のウェブサイトで公開することを製造販売業者に義務付けた。また、プログラム医療機器(右記事参照)も新たに医療機器としての規制対象とした。


「プログラム医療機器」の該当例が示される
不具合時のリスクで判断

 厚生労働省は11月14日、医薬品医療機器等法で新たに規制対象となった「プログラム医療機器」の該当例を示した通知を出し、通知に先立ち募集したパブリックコメントに対する見解を発表した。

 プログラム医療機器は、検査値や測定値、医用画像などの医療データを解析して、疾病の診断や治療・予防を支援するソフトウエア(プログラム)のうち、機能に不具合が生じた場合に健康被害を及ぼすリスクが高いもの。パブコメで「対象外とすべき」との意見が寄せられた電子お薬手帳については、調剤薬の記載以外の付加機能がある場合には個別に判断するとの見解が示された。


新薬14成分15品目が薬価収載
新機序の不眠症治療薬や眼圧降下薬が登場へ

 厚労省は11月25日、新薬14成分15品目を薬価収載した(表)。

 新機序の薬剤は、オレキシン受容体拮抗作用を持つ不眠症治療薬のベルソムラ(一般名スボレキサント)や、Rhoキナーゼ阻害による緑内障用点眼薬のグラナテック(リパスジル塩酸塩水和物)など。C型肝炎治療薬のバニヘップ(バニプレビル)は、インターフェロンを含む3剤併用療法で使用する。また、リクシアナ(エドキサバントシル酸塩水和物)は60mg錠が剤形追加されたが、15mg、30mg錠とは異なり、下肢整形外科手術後の静脈血栓塞栓症予防は適応外となることに注意が必要だ。

表 2014年11月25日に薬価収載された主な新医薬品

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OTC検査薬の対象を拡大
鼻汁、唾液、涙液が検体に
穿刺血の検体化は見送り

 11月12日に開催された薬事・食品衛生審議会の医療機器・体外診断薬部会で、一般用検査薬(OTC検査薬)の対象拡大に関する基本方針が了承された。検体として尿、糞便に加え、新たに鼻汁、唾液、涙液も使用可能とした一方、穿刺血、咽頭拭い液、口腔内擦過検体など「採取に侵襲を伴う検体」の使用は見送られた。

 検査の対象には、健康状態を把握し受診につなげていける項目を含めるが、癌や心筋梗塞、遺伝性疾患など、重大な疾患の診断に関わるものは対象外となった。また、感染症については個別の検査項目ごとに検討することとなった。


ロキソニンSのリスク区分
15年1月以降も第1類のまま据え置き

 11年1月にOTC薬として発売されたロキソニンS(一般名ロキソプロフェンナトリウム水和物)のリスク区分が、第1類のまま据え置かれることが決まった。11月14日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の審議による。ロキソニンSについては、8月に開催された同部会安全対策調査会が、リスク区分を指定第2類に引き下げることが適当との案をまとめていた。調査会案が部会で覆ることは異例。パブリックコメント10件のうち「指定第2類医薬品とすべき」との意見は1件だけで、残り9件中8件は「第1類医薬品とすべき」というものだった。


「マイナンバー制度、医療情報は別扱いに」
三師会が合同声明

 日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会は11月19日、「医療等IDに係る法制度整備等に関する三師会声明」を発表。15年10月に開始されるマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)で全国民に付与される個人識別番号とは独立した、医療情報専用の個人番号(医療等ID)が必要だと提言した。

 声明では、医療情報がマイナンバーのように唯一無二の個人番号で管理されると、一生涯の病歴が容易に名寄せされてしまうと指摘。状況に応じて「病歴の消去」「管理番号の変更」「複数管理番号の使い分け」などが行える、医療専用の番号制度創設に向けた法整備を求めた。


薬局と医療機関仕切るフェンス設置見直しを
総務省があっせん

 総務省は10月31日、厚労省に対し、保険薬局と保険医療機関をフェンスなどで仕切るという行政指導を見直すようあっせんした。各市町村に設置した行政相談委員が受け付けた行政相談に応じたもの。

 この行政相談は、「いったん公道に出て入り直す構造とするために、医療機関と薬局を仕切るフェンスがあると、身体が不自由な人などには不便なので見直してほしい」という内容。総務省は、医療機関からの経営上の独立性が十分に確保されている場合には、構造上の独立性に関する規定は緩やかに解釈するのが相当であり、患者の利便性に配慮して規定の解釈を見直すよう求めた。


卸連対象の妥結率調査
15年9月単月の妥結率は薬価ベースで92.6%

 厚労省が日本医薬品卸業連合会(卸連)の加盟社を対象に行った価格妥結状況調査で、14年9月取引分(単月)の妥結率(薬価ベース)が92.6%と、13年9月取引分の73.5%から大幅に上昇したことが分かった。

 14年の診療報酬改定では、妥結率が50%を下回る薬局と200床以上の病院に対して、翌年の報酬を引き下げる「未妥結減算制度」が導入された。未妥結減算対象施設別の14年9月単月の妥結率は、200床以上の病院が93.9%(前年同期は50.2%)、チェーン薬局(20店舗以上)は96.7%(同51.9%)、その他の薬局は98.7%(同85.3%)だった。


アインと総合メディカル
薬局関連事業で包括的な業務提携

 調剤チェーン大手の総合メディカル(福岡市中央区)とアインファーマシーズ(札幌市白石区)は11月26日、薬局関連事業領域における業務提携契約を締結したと発表した。両社のシステム、人材、ノウハウを相互に活用することで、企業価値の向上を図る。

 業務提携は、薬剤師の職能発揮のための協力、システムの共同開発・共同利用、医薬品などの調達に関する協調、医師紹介業における連携、医療モール開発に関する相互サポート、人材交流などに関して行う。具体的な提携内容については、今後、両社で事業企画委員会を立ち上げて検討を進める予定だ。


新薬DIピックアップ
グラナテック点眼液《2014年11月25日薬価収載》
Rhoキナーゼ阻害作用を持つ新機序の緑内障用点眼薬

 2014年11月25日、緑内障・高眼圧症治療薬であるリパスジル塩酸塩水和物(商品名グラナテック点眼液0.4%)が薬価収載された。緑内障治療薬では初めてのRhoキナーゼ阻害薬で、適応は「他の緑内障治療薬が効果不十分または使用できない緑内障、高眼圧症」。1回1滴、1日2回点眼する。

 緑内障は、眼圧の上昇などにより視神経が損傷を受ける疾患である。治療が適切に行われないと、視野狭窄から失明に至る。緑内障治療の目的は患者の視機能を維持することであり、現在、エビデンスに基づいた確実な治療法は眼圧を下げることである。

 眼圧降下薬としては、プロスタグランジン(PG)関連薬、β遮断薬、αβ遮断薬、α1遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、交感神経刺激薬、α2作動薬およびそれらの配合剤などが使用されている。治療は単剤から開始するのが原則だが、眼圧を目標値以下にコントロールするために複数薬の併用が必要になるケースは多い。また、副作用や禁忌、慎重投与などの制約により、薬剤の選択肢が限られる場合も少なくない。

 リパスジルの作用点であるRhoキナーゼとは、低分子量G蛋白質であるRhoと結合するセリン・スレオニン蛋白質リン酸化酵素で、眼においては毛様体筋、線維柱帯などで発現している。リパスジルはこのRhoキナーゼを阻害し、線維柱帯・シュレム管を介した主流出路からの房水流出を増加させて眼圧を低下すると推定されている。なお、Rhoキナーゼ阻害薬には他に、07年6月に発売された、くも膜下出血の予後改善薬であるファスジル塩酸塩水和物(エリル)がある。

 リパスジルは日本で開発された薬剤で、14年11月時点では海外において承認されていない。臨床試験では副作用が75.5%に認められている。主な副作用は、結膜充血(69.0%)、アレルギー性を含む結膜炎(10.7%)、アレルギー性を含む眼瞼炎(10.3%)などであった。

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