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DIクイズ2(A)
DIクイズ2:(A)花粉症の舌下免疫療法の薬
日経DI2014年12月号

2014/12/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年12月号 No.206

出題と解答:東風平 秀博
(田辺薬局株式会社[東京都中央区])

A1

(1)スギ花粉エキスの投与量が一定になるのは、投与開始から3週目以降である。
(4)花粉が飛散していない時期に投与を開始する。

 スギ花粉症の治療法の一つに、少量からアレルゲンへの曝露を続けていく減感作療法(アレルゲン免疫療法)がある。最初に実用化されたのは、皮下に注射でアレルゲンを投与する皮下免疫療法であるが、痛みを伴い手技も煩雑であるため、より簡便な方法としてアレルゲンを舌下に投与する舌下免疫療法が実施されるようになった。

 シダトレン(標準化スギ花粉エキス)は、保険診療で舌下免疫療法を行うためのエキス剤として、2014年10月に発売された、本邦初のアレルゲン免疫療法薬である。1日1回、所定の用量(表1)を舌下に滴下して粘膜から浸透するのを待ち、2分後に飲み込む。少量から始めて問題がなければ、有効成分であるスギ花粉エキスの量を増やす。開始から2週間が増量期に当たり、1週目は200JAU/mLボトル、2週目は2000JAU/mLボトルに附属のディスペンサーを装着し、ポンプを押す回数で投与量を調節する。3週目以降は維持期で、容器に1回分ずつ封入された液剤を舌下に投与する。

表 増量期(1週目、2週目)のシダトレン投与量

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 シダトレンの第3相臨床試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)では、花粉飛散第1シーズン(1年目)のおよそ9~20週前より投与を開始し、第2シーズン(2年目)の症状ピーク期間における総合鼻症状薬物スコアが、プラセボに比べ有意に改善した。なお第1シーズンでも、同スコアの有意な改善が確認されている。投与期間は一般に2年以上で、効果があれば4、5年は継続することが多い。

 主な副作用は、口内炎、舌下腫脹、咽喉頭掻痒感などであり、口腔内副作用の74.1%が投与開始後約1カ月以内に見られている。また、アナフィラキシーショックなどが起きる可能性があるため、シダトレンはアナフィラキシーへの迅速な初期対応が可能な医療機関として登録された施設でしか処方できない。

 処方する医師は、講習の受講、処方医療機関の登録、緊急時対応可能な医療機関の確認と登録が必要である。薬剤師は承認条件に基づき、処方元の医師が受講修了医師であることを、医師名またはシダトレン受講修了医師番号と医療機関名で、シダトレン登録医師確認窓口(コールセンター、確認用サイト)から調剤前に確認する必要がある。

 スギ花粉飛散期は、スギ花粉アレルゲンに対する患者の過敏性が高まるため、副作用が発現しやすいと考えられる。このため初回投与はスギ花粉が飛散していない時期に実施する。スギ花粉の飛散は、多くの地域で2月上旬に始まる。前述した第3相臨床試験では、花粉飛散第1シーズンのおよそ9~20週前より投与を開始することで、第1シーズンでの効果を確認している。こうしたことから、シダトレンを投与する時期としては、地域にもよるが、12月初旬または中旬までとしている医療機関が多いようである。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 シダトレンによる花粉症の治療を始められたのですね。このお薬は、スギ花粉エキスを舌下に滴下していくというものです。最初の2週間は少しずつエキスの量を増やしていくので少し面倒ですが、3週間目からは1回分ずつパックになったものを使い始めます。

 この治療は減感作療法といい、アレルギーの原因になる物質を少しずつ体に取り込んでアレルギーを抑えようという治療法です。口の中が腫れたり、痒くなったりする副作用が初めの1カ月は出やすいようです。また、少なくとも2年間は飲み続けることになると思います。その間、歯の治療を受けたり、かぜをひいたりする時もあるでしょう。そのような場合には、シダトレンを飲み続けてもよいか先生に確認をしてください。

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