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特集:後発品をどう選ぶ2014
後発品企業の評価
日経DI2014年11月

2014/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年11月号 No.205

 薬局や病院で後発品の採用を検討する際、どの企業が製造・販売しているのかは必ず考慮するポイントだ。本誌は2010年から年に1回、後発品の企業名を挙げて、その中から好感を持っている企業とその理由を選んでもらう「後発品企業の支持率調査」を実施している。

 第5回となる本年調査の結果、第1位は沢井製薬で、5年連続でトップの座に就いた(表2)。2位は日医工、3位はエルメッド エーザイで、これら上位3社の順位も5年連続だ。沢井製薬と日医工は、安定供給と取り扱い品目の多さで高い評価を受けている。エルメッド エーザイは安定供給とともに、品質の信頼性で支持を集めている。

表2 好感を持っている後発品企業と支持する理由

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 4位にはファイザーと東和薬品が同率で並んだ。昨年、ファイザーに抜かれて5位になった東和薬品が踏ん張った格好だ。2社ともに支持率をアップさせており、3位のエルメッド エーザイの背中が見えてきた。

 6位はMeiji Seika ファルマ、7位には第一三共エスファが順位を1つ上げて入った。9位は昨年12位の高田製薬で、同社は初のトップ10入りを果たした。このほか、サンドが昨年の14位から11位、ニプロファーマが13位から12位、科研製薬が18位から15位に順位を上げた。ランク外では、共和薬品工業が昨年の24位から16位にランクアップしている。

病院でランキング変動

 支持率ランキングを、薬局薬剤師(経営者も含む)と病院・診療所に勤務する薬剤師に分けてみよう(表3)。

表3 所属別に見た後発品企業支持率ランキング

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 薬局薬剤師では、高田製薬が昨年12位からランクを上げ、テバ製薬と同率8位で並んだ。一方、病院・診療所の薬剤師の順位は、今年大きく変動した。昨年1位だったMeiji Seika ファルマが5位にダウン、2位以下4社が一つずつ順位を上げた。昨年9位だった東和薬品が6位にアップしている。

安定供給を最も重視

 表2では、企業ごとに支持数を100%として、それぞれの理由を選んだ回答者の割合を載せている。つまり、その企業のどこが評価されているのかが示されているわけだ。上位6社は全て「供給が安定しているから」が高く評価されていることが分かる。

 別の設問で、後発品を選ぶ際に、一般にどのような点を重視しているかを聞いたところ、やはり最も多かったのは「供給が安定しているかどうか」だった(図5)。

図5 後発品選択のポイント(複数回答)

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 自由意見欄には、「やっと患者の理解を得て後発品になったのに、販売が打ち切られたり、納品が遅れたりすると患者に申し訳が立たない。二度と後発品を選んでもらえなくなる」(30代女性、薬局勤務薬剤師)、「採用した後発品のうち何品目か製造が中止になり、先発品に戻した。医師と話し合って決めたのに、頻繁に製造中止になると薬局の信用を失いかねない」(40代女性、管理薬剤師)などの意見が寄せられた。後発品企業には安定供給のためのさらなる取り組みが求められている。

新たに備蓄したい会社は?

 また、特集冒頭・表中の「採用率」(その企業の製品を1品目でも備蓄していると回答した割合)は、1位の日医工が93.3%(昨年は91.3%)、2位の沢井製薬が93.0%(同90.5%)で、3位以下を大きく引き離している。採用率を最も伸ばしたのは11.2ポイントアップのファイザーで、続いてテバ製薬の7.6ポイント、Meiji Seika ファルマの7.3ポイントと続いた。

 現在は採用していないが、今後新たに備蓄したいと考える企業も挙げてもらった。その結果、第一三共エスファが1位だった(表4)。2位はファイザー、3位はエルメッド エーザイで、あすか製薬と大日本住友製薬が同率4位だった。これらの企業は、今後、支持率と採用率をアップさせる“伸びしろ”が大きいと考えられる。

表4 今後新たに備蓄したいと考える企業(n=1104)

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採用検討は発売前から

 今年4月から「後発品のある先発品の数量」が指標に使われるようになり、数量シェアを維持するためには発売直後に採用する必要が出てきた。そこで調査では、後発品採用の検討を開始する時期について尋ねてみた。

 すると薬局薬剤師は「製造販売が承認された、もしくは承認のめどが立った頃から」が最も多く、29.3%を占めた(図6)。「製造販売承認を申請した頃から」(9.4%)「薬価が収載されてから」(19.4%)を合わせ、約6割が発売前に検討を開始していた。「発売前に、剤形や納入条件が分かると非常に助かる」(40代男性、薬局経営者)という声もある。後発品企業には、早期からの情報提供が求められている。

図6 後発品採用の検討開始時期

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 一方、病院・診療所勤務の薬剤師は、「発売後、しばらく様子を見てから」が5割を占めた。この傾向に、DPC病院であるかどうかで差は見られなかった。

現場の声を反映した製剤を

 「先発メーカーがやりたがらない工夫を積極的に取り入れて、より患者さんが服用しやすく、薬剤師が扱いやすい製剤を作ってほしい。ユニバーサル・デザイン・フォントや錠剤刻印以外にも、工夫できる余地はまだまだある。現場の薬剤師の声を積極的に拾ってほしい」(30代男性、薬局勤務薬剤師)と、先発品にはない製剤上の特徴を求める声も多い。

 「価格メリットよりも、先発品を超える製剤特性を持った製品開発に力を入れてほしい。そして私たち薬剤師は、それを選別し得る目を養い、優れた製品を残していかないといけない」(30代男性、管理薬剤師)─。先発品と後発品を価格差だけで比べる時代は終わり、後発品企業のさらなる努力と、それを見極める薬剤師の眼力が求められる時代になっている。

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