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薬局なんでも相談室2
相談室2:年金を受給している薬剤師の給与の決め方
日経DI2014年11月号

2014/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年11月号 No.205

 第二の人生は薬局の薬剤師として活躍したいという方を雇用する際は、年金にも配慮した雇用契約を結びましょう。60歳以降に再就職し、厚生年金保険に加入して働く場合、支給される年金と給与の合計が月額28万円を超えると、年金支給額が減額されます。そこで、雇用予定の方に、どのような働き方を希望しているかを確認し、年金の減額についての意向を確かめる必要があります。

 年金の減額を望まない場合には、厚生年金の被保険者の範囲外になるような雇用契約を締結します。労働日数と労働時間が正社員の4分の3未満となるような、パート勤務にするわけです。ただしこの場合、国民健康保険に加入するか、元の勤め先の任意継続被保険者となる手続きが必要であることをあらかじめ伝えておいた方が良いでしょう。

 年金の減額は気にしないという方の場合、正社員として雇用しても問題は特にありません。年金の支給年齢は段階的に引き上げられているため、ここでは薬剤師として雇用予定の方の年齢を、1954年生まれの60歳と仮定してお話します。1953年4月2日~1955年4月1日生まれの方で、企業に勤務していた人の場合、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分は、61歳から支給されます。

 年金が減額されるのは、受給している年金の月額(基本月額)と、総報酬月額相当額(月給の予定額に、その月以前の1年間のボーナスの12分の1を足した額)の合計が28万円を超えた場合です。この減額(支給停止額)を算出する式は、総報酬月額相当額と基本月額によって異なります(表1)。

表1 年金の支給停止額を算出する式

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 具体的な数値を入れてみましょう。年金の基本月額が10万円、給与が25万円(直前1年間にボーナスなし)の人のケースは、表の太枠内の式で計算されます。この表を用いて年金の減額を計算するときには、「標準報酬月表」の標準報酬月額という数値を、総報酬月額相当額に当てはめることになっています。例えば、報酬月額(給与)が23万円~24万9999円の人の標準報酬月額は24万円、25万円~26万9999円の人は26万円です。従って、このケースでは、総報酬月額相当額は26万円。年金の支給額は基本月額から4万円減額の6万円となります。

 ここで、給与が24万9999円だったらどうでしょう。総報酬月額相当額は24万円で計算するので、年金の減額は3万円、支給額は7万円となります。つまり給与を1円減らすと、減額を1万円減らせるので、薬局にも雇用される薬剤師にも利益になると言えます。企業を退職した薬剤師の再雇用では、年金制度にも注意を払って給与を決めるとよいでしょう。

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