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DIクイズ3(A)
DIクイズ3:(A)インフルエンザワクチンの接種回数と年齢
日経DI2014年11月号

2014/11/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年11月号 No.205

出題と解答 :後藤 洋仁
(横浜市立大学附属病院薬剤部)

A1

(4)6カ月以上13歳未満

A2

(1)解熱後2日間、(3)発症後5日間

 インフルエンザウイルスは、核蛋白の抗原性からA型、B型、C型に大別される1本鎖RNAウイルスである。C型インフルエンザウイルスに感染すると軽微な感冒様症状が表れるが、感染は幼児が中心で終生免疫も獲得されるため、インフルエンザ対策はA型とB型に絞られている。

 日本で使用されているインフルエンザワクチンは、Aソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型の3つの株が含まれた不活化混合ワクチンである。インフルエンザの発症や、重症化を防ぐ効果が認められている。ワクチン株は毎年、流行予測に基づき世界保健機関(WHO)が発表するワクチン推奨株を参考に選定される。今季(2014-15冬シーズン)のワクチン株は、A/California/7/2009(H1N1、2009年から流行中の新型インフルエンザ)、A/NewYork/39/2012(H3N2)と、B/Massachusetts/2/2012である。ワクチンの製造過程では鶏の有精卵(発育鶏卵)を用いているので、卵アレルギーがある人は、皮内反応検査を事前に実施できるアレルギーの専門医療機関での接種が望ましい。

 さて、Gくんが話しているように、インフルエンザワクチンの接種回数は年齢により異なり、日本では通常、6カ月以上13歳未満の小児に対して2回接種を行う。これは、不活化ワクチンでは低年齢の小児で抗体価が上がりにくいためである。今回、Gくんへのインフルエンザワクチンの接種回数が1回だったのは、接種時に13歳になっていたためと考えられる。

 中学生や高校生への接種回数を1回とするか2回とするかには議論があったが、2009年に新型インフルエンザが流行した際に厚生労働省の研究班が実施した臨床試験に基づき、1回接種が推奨されている(希望者は2回接種も可能)。この試験では、13歳以上の中学生56人と高校生45人を対象に、新型インフルエンザのワクチンを接種して赤血球凝集抑制試験(HI法)で抗体価を測定した。その結果、1回接種後にHI抗体価が1:40以上になるセロプロテクション率は、中学生で91%、高校生で89%に達した。

 ただし、セロプロテクションを得られる程度にまで抗体価が上昇するには、通常、ワクチンの接種から2週間程度を要し、持続性は5カ月程度である。このセロプロテクション期間の前や後にインフルエンザウイルスに感染した場合は、発症予防効果が得られにくい。また、ワクチン株以外のウイルスが流行した場合も予防効果は得られにくい。こうした限界はあるものの、インフルエンザワクチンを毎年接種することが、流行予測株による発症を予防する最善策であることはきちんと説明しておく必要があるだろう。

 なお、抗インフルエンザ薬によりインフルエンザに罹患しても早期の解熱が期待できるようになったが、ウイルスの排出期間は変わらないため、2012年に学校保健安全法施行規則が改正されて出席停止期間が変更された。以前は解熱後2日を経過すれば登園や登校が可能だったが、現在は、小学生未満は「発症後5日かつ解熱後3日」、小学生以上では「発症後5日かつ解熱後2日」までは出席停止であることを指導しておきたい。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 ワクチンを打ったのにインフルエンザになってしまったのは、1回しか打たなかったからじゃないかと思っているんだね。でも、今のワクチンは、中学生や高校生なら1回打つだけで免疫が付くことが確かめられているんだ。免疫が付くにはワクチンを打ってから2週間ほど掛かるし、予防効果は100%じゃないけれど、流行するインフルエンザは毎年変わるから、毎年ワクチンを打つのが予防には一番なんだよ。

 このリレンザという薬を1日2回吸うと、明日かあさってには熱は下がると思うよ。でも、熱が下がってから2日、そしてインフルエンザにかかってから5日は学校に行ってはいけないという決まりなんだ。あと4日はしっかり家で休んで、きちんと治そうね。

参考文献
1)日本衛生学雑誌 2010;65:239.

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