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調剤報酬明細書記載(3)
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2014/10/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年10月号 No.204

 調剤報酬請求事務において、調剤報酬明細書の記載に関する誤りや漏れが比較的多いのは、摘要欄への記載である。摘要欄は請求する項目に応じて記載すべき内容があり、記載し忘れると返戻の対象となるため、注意が必要である。摘要欄への記載内容は、厚生労働省の通知などにより定められている。主なものを紹介する。

 時間外加算、休日加算、深夜加算または時間外加算の特例を算定した場合、調剤を行った月日と時間、加算を算定した理由を記載する。理由の記載例としては、「緊急調剤のため」などが挙げられる。

 一般名処方が行われた医薬品について後発医薬品を調剤しなかった場合、その理由について「患者の意向」「保険薬局の備蓄」「後発医薬品なし」「その他」から、最も当てはまる理由を一つ記載する。

 長期投薬情報提供料1を算定する場合は、情報提供の対象となる調剤の年月日、投薬日数および情報提供を行った日を記載する。長期投薬情報提供料2を算定する場合は、指導の対象となる調剤の年月日、投薬日数および指導を行った日を記載する。

 外来服薬支援料を算定する場合は、服薬管理を支援した日、服薬支援の対象薬剤を処方した医師の氏名、医療機関の名称を記載する。

 自家製剤加算を算定した場合で処方欄の記載内容からは加算理由が不明のときは、その理由を記載する。記載例としては、「錠剤を粉砕し散剤とした」などが挙げられる。

 配合禁忌などの理由により内服薬を別剤とした場合には、その理由を記載する。

 患者が同一病院の異なる診療科を受診し、それぞれの医師から薬剤の処方を受け、調剤時に一包化加算、自家製剤加算、計量混合加算を算定する際、処方欄に個別に薬剤を記載することによって各加算の算定理由が不明になる場合は、摘要欄にその理由を記載する。

 患者が長期の旅行に出掛けるなど特殊な事情があり、投薬量が1回14日分を限度とされる薬が14日を超えて投与された場合は、処方箋の備考欄に記載されている長期投与の理由を転記する。

 患者が要介護者または要支援者で、介護保険に相当するサービス(居宅療養管理指導、介護予防居宅療養管理指導)を行った場合、摘要欄にの記号を付けた上で両点数の合計算定回数を記載する。

 調剤を行っていない月に服薬情報等提供料、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料または在宅患者緊急時等共同指導料を算定した場合は、情報提供または訪問の対象となる調剤の年月日および投薬日数を記載する。例えば長期処方が行われている患者の場合、ある月の請求が訪問薬剤管理指導料のみということもあり得るため、上記の情報を明記する。

 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者で、薬学的管理指導計画に当てはまる疾病とは別の疾病や負傷について臨時で投薬が行われた場合、薬剤服用歴管理指導料を算定する際には算定日を記載する。

 在宅基幹薬局とサポート薬局の関係において、サポート薬局が訪問薬剤管理指導を実施し、在宅基幹薬局が在宅患者訪問薬剤管理指導料または在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料を算定した場合、在宅基幹薬局はサポート薬局が訪問した日付とその理由、サポート薬局名を記載する。理由の記載例としては、「基幹薬局薬剤師不在のため」などが挙げられる。また、この際、サポート薬局が処方箋を受け付け、調剤を行い、調剤料や薬剤料を算定する場合、摘要欄にはサポート薬局が処方箋を受け付けた旨を記載する。

 在宅基幹薬局に代わってサポート薬局が訪問薬剤管理指導(介護保険における居宅療養管理指導、介護予防居宅療養管理指導を含む)を実施した際に処方箋が交付されていた場合、サポート薬局は上記指導を実施した日付を記載する。

 退院時共同指導料を算定する場合は、指導日、共同指導を行った医師、看護師または准看護師の氏名、医療機関の名称を記載する。なお、医師の氏名と医療機関の名称については、対象患者が入院している医療機関とともに、退院後の在宅医療を担う医療機関についても記載する。

 そのほか、請求に関して必要と思われる事項も、この摘要欄に記載しておく。例えば、重複投薬・相互作用防止加算を算定した場合、その内容を記入することや、自家製剤加算を算定するに当たり、製剤後の薬と剤形規格が同等の物が薬価基準に収載されていない旨を記載することなどが挙げられる。

 最後に、各点数を調剤報酬明細書に記載する際の略号を表1にまとめたので、参考にしてほしい。

表1 調剤報酬の項目の略号とその点数

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問題1の解答
(1)調剤を行った月日と時間、算定した理由
(2)服薬管理を支援した日、服薬支援した薬剤を処方した医師の氏名と医療機関の名称
(3)訪問の対象となる調剤の年月日および投薬日数
(4)情報提供の対象となる調剤の年月日、投薬日数および情報提供を行った日

講師 伊藤 典子
Ito Noriko
NIメディカルオフィス(東京都中央区)会長。医療秘書教育全国協議会医事CP検定委員などを経て、2000年に診療報酬、調剤報酬の解説書の出版事業などを行う会社を設立。

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