DI Onlineのロゴ画像

DIクイズ1(A)
DIクイズ1:(A)C型肝炎の新しい飲み薬

2014/10/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年10月号 No.204

出題と解答:安 武夫
(東京大学医科学研究所附属病院薬剤部)

A1

ダクルインザ(一般名ダクラタスビル塩酸塩):(3)NS5A複製複合体阻害薬スンべプラ(アスナプレビル):(2)NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬

A1

(2)ダクルインザは1日1回、スンベプラは1日2回

 C型肝炎ウイルス(HCV)は、遺伝子の違いにより1a、1b、2a、2bなどのジェノタイプに分類される。日本のHCV感染者数は150万~200万人で、うち約7割がジェノタイプ1bとされる。

 ジェノタイプ1で高ウイルス量の症例にはペグインターフェロン(PEG-IFN)α(商品名ペガシス、ペグイントロン)、リバビリン(コペガス、レベトール他)、シメプレビルナトリウム(ソブリアード)の3剤併用が標準治療とされている。それ以外の症例にはPEG-IFNの単独またはリバビリンとの併用が推奨されている。ただし、IFNの副作用により治療を中断または断念する症例が少なくないため、IFNを使わない「IFNフリー」の治療が待たれていた。

 2014年9月にダクラタスビル塩酸塩(ダクルインザ)とアスナプレビル(スンベプラ)が発売された。この2剤の併用により、日本で初めてIFNフリーの治療が可能になった。両薬剤はHCVに直接作用する経口抗ウイルス薬で、ダクラタスビルはNS5A複製複合体阻害薬、アスナプレビルはNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬である(図)。NS5A蛋白は複合体を形成してHCVのRNA複製に重要な役割を果たしていると考えられている。ダクラタスビルは、NS5Aの機能を阻害することにより抗ウイルス作用を示す。一方、アスナプレビルはテラプレビル(テラビック)やシメプレビルと同様、NS3/4Aプロテアーゼの活性を阻害する。

図 HCV遺伝子にコードされる蛋白の構造と抗ウイルス薬

画像のタップで拡大表示

 ジェノタイプ1bを対象に国内で行われた第3相臨床試験では、2剤を24週間投与することで、84.7%(222人中188人)の患者が、治療終了から24週間にわたってHCV-RNA陰性の状態を持続した(SVR24)。主な副作用として肝機能障害が報告されており、第3相試験ではALT上昇が15.8%(35人)、AST上昇が12.6%(28人)に見られた。このため治療開始12週目までは少なくとも2週ごと、それ以降は4週ごとに肝機能検査を行い、ALTが基準値上限の10倍以上になった場合は投与を中止する。併用禁忌薬剤が多いため、注意が必要である。

 ダクラタスビルとアスナプレビルの適応は発売時点では、IFNを使えない患者か、過去にIFNを使って効果が無かった患者のみである。ただし、IFN治療も可能な未治療患者および前治療再燃患者に対する適応も追加申請されている。

 これら以外にも、複数の抗ウイルス薬の開発が国内で進められている。中でも注目されているのが、NS5Bポリメラーゼ阻害薬のsofosbuvirと、NS5A複製複合体阻害薬のledipasvirである。両剤は配合剤として開発が進められており、ジェノタイプ1の適応で製造販売承認が申請されている。なお、配合剤に先立って、sofosbuvirは単剤でジェノタイプ2の適応でも製造販売承認が申請されている。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 来月から新しいお薬を始めると先生がおっしゃったのですね。新しいお薬は2種類あって、それぞれ違う方法でC型肝炎ウイルスが増えるのを抑えます。副作用によりインターフェロンを中止した方も、このお薬を使うことができます。

 2つのお薬を6カ月間、一緒に服用します。毎日きちんと飲まないと治療に失敗しやすくなってしまうので、飲み忘れは厳禁です。また、定期的に肝機能検査を行わなければなりませんので、先生の指示通りに通院していただくことが大切です。詳しくは来月、実際のお薬を見ながらご説明させていただきますね。

参考文献
1)日本肝臓学会「C型肝炎治療ガイドライン 第3版」(2014)

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ