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DIクイズ5(A)
DIクイズ5:(A)ロトリガを食事の直後に服用する理由
日経DI2014年9月号

2014/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年9月号 No.203

出題と解答 :今泉 真知子
(有限会社丈夫屋[川崎市高津区])

A1

ロトリガ(一般名オメガ3脂肪酸エチル)は脂溶性であり、食物中の油脂分に溶けた方が吸収されやすいため。

 今回、Kさんに処方されたオメガ3(ω3)脂肪酸エチル(商品名ロトリガ)は、2013年に発売された脂質異常症治療薬である。ω3系脂肪酸は多価不飽和脂肪酸の一つであり、必須脂肪酸であるイコサペント酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)が含まれる。ロトリガには1包(2g)中に、イコサペント酸エチルが約930mg、ドコサヘキサエン酸エチルが約750mg配合されている。効能・効果は高脂血症である。

 魚や海獣(アザラシなど)をよく摂取しているイヌイットやエスキモー民族は、脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性疾患による死亡率が低い。このことが疫学調査で判明し、魚肉や海獣の肉に多く含まれるEPAやDHAの心血管イベントを抑制する効果が注目され、治療薬として開発された経緯がある。

 同薬は1994年にノルウェーで初めて承認され、欧米では既に高トリグリセリド(中性脂肪:TG)血症の効能・効果を持つ医療用医薬品として承認されている。ちなみに、わが国では99年にEPAのみを含む製剤であるエパデールが発売されている。

 ω3脂肪酸は肝臓からのTGの分泌を抑制するとともに、血中からのTGの消失を促進させる。また、EPAとDHAは肝臓のTG含量を低下させ、脂肪酸合成酵素やTG合成酵素の活性を低下させる作用を持つ。

 わが国での臨床試験では、スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素薬)の併用の有無にかかわらず、ロトリガはEPA製剤と同等かそれ以上のTG低下効果を示すことが確認されている。また、小型の低比重リポ蛋白(LDL)を減らし大型のLDLを増やすなど、LDLの質を改善する作用も認められている。ちなみに、小型のLDLは大型のLDLよりも動脈硬化を促進させる働きが強い。

 ロトリガは1日2g(1回2gを1日1回)、食直後に服用する。TG高値の程度により1日4g(1回2gを1日2回)まで増量できる。用法が食直後とされているのは、ω3脂肪酸エチルは脂溶性であるため、食物に含まれる油脂分が吸収をスムーズにするからである。

 またロトリガ1包中には、直径4mmの球形をした軟カプセルが多数含まれており、中に淡黄色の液体が充填されている。カプセルは噛まずに服用しなければならない。細粒やドライシロップに比べて粒径が大きく飲みにくいため、何口かに分けて服用してもよいことを指導しておくとよい。

 ちなみに、副作用で一番多いのは下痢であり、承認までの臨床試験では2.5%に見られた。また、既存のEPA製剤と同様に血小板凝集抑制作用があるため、血友病や毛細血管脆弱症、尿路出血、喀血など出血の症状が認められる患者には禁忌である。加えて、ワルファリンカリウム(ワーファリン他)などの抗凝固薬やアスピリン(バイアスピリン他)などの抗血小板薬など、易出血性状態になりやすい薬剤との併用には注意しなければならない。

こんな服薬指導を

イラスト:YAB

 今日からお飲みになるロトリガというお薬は、EPAとDHAという脂肪酸が含まれていて、中性脂肪を下げる働きがあります。このお薬は油脂に溶けやすい性質があり、食事に含まれる脂肪分と混ざることで吸収されやすくなるので、食事のすぐ後に飲むよう決められています。だから先生も食事を確実に取るタイミングを気にされたのだと思います。

 このお薬は包みの中にたくさんの粒が入っています。粒の一つひとつが大きいため、飲みにくいかもしれません。もし飲みにくい場合には一度に全てを飲もうとせず、何口かに分けて飲むとよいでしょう。またこのお薬は一緒に飲んではいけない薬がありますので、他の病気で受診する際にはロトリガを飲んでいることを医師に伝えてくださいね。

参考文献
1)ナーシング・トゥデイ2013;28:66-9.

※本クイズは、書籍『日経DIクイズ15』からの再掲載です。

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