DI Onlineのロゴ画像

DIクイズ3(A)
DIクイズ3:(A)オキシブチニン貼付薬の使い方
日経DI2014年9月号

2014/09/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年9月号 No.203

出題と解答 :今泉 真知子
(有限会社丈夫屋[川崎市高津区])

A1

(2)ポラキス錠2(一般名オキシブチニン塩酸塩) 1日3錠

A2

(3)腰部

 過活動膀胱(overactive bladder:OAB)は、「尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば、伴わないこともある」と定義される疾患である。有病率は高齢になるほど高い。

 治療には主に抗コリン薬が用いられる。オキシブチニン塩酸塩(ポラキス他)、プロピベリン塩酸塩(バップフォー他)、酒石酸トルテロジン(デトルシトール)、コハク酸ソリフェナシン(ベシケア)、イミダフェナシン(ウリトス、ステーブラ)など多くの種類がある。

 今回Nさんに処方されたネオキシテープは、ポラキスと同成分のオキシブチニン塩酸塩を含有した日本初の経皮吸収型の過活動膀胱治療薬で、2013年に発売された。経皮吸収型にすることで肝臓による初回通過効果を受けず、抗コリン薬に特徴的な口渇などの副作用が軽減されることが分かっている。1日1回、1枚貼付すればよいので、特に高齢者にとっては服薬管理も容易である。

 ネオキシテープ1枚には、オキシブチニン塩酸塩が73.5mg含まれる。一方、内服薬のポラキスの標準的な用量はオキシブチニン塩酸塩として1日6~9mgであり、大幅に異なる。これは、オキシブチニンの経皮吸収率が低いためである。血中濃度時間曲線下面積(AUC)を基に推算した場合、ネオキシテープ1枚は、内服薬6mg(2mg錠であれば3錠)に相当する。

 同薬の開発過程で、オキシブチニン塩酸塩をそれぞれ52.5mg、73.5mg、105mg含有する貼付薬を比較したところ、73.5mgと105mgで効果がほぼ同等であった。そのため、皮膚への刺激などの副作用を考慮して、73.5mgに設定された経緯がある。

 ネオキシテープの規格は73.5mgの1種類だけであり、切断して用量を調整することは、承認条件上認められていない。ポラキスから変更する場合、これまでの用量が6mg/日でなくても、まずは1日1枚を使用し、効果が強過ぎる場合、あるいは不十分な場合には、内服薬での治療に戻す必要がある。

 貼付部位は、ウエストより下の下腹部、腰部、大腿部のいずれかで、24時間ごとに貼り替える。上腕部など吸収率が高い部位に貼付すると、血中濃度が上昇し副作用のリスクが高まる。

 また、貼る時間について特に制限はないが、温度上昇により吸収率が変化する可能性、および24時間ごとの交換を考慮すると、入浴前に剥がし、入浴後に貼るのが適切と思われる。

 テープが途中で剥がれた場合には、新しいテープを貼付する対応で問題はない。ただ、同一部位に繰り返し貼付すると、皮膚の角質層が剥離して刺激を感じたり、血中濃度が上昇する可能性があるため、貼る部位は毎回変更するよう指導すべきである。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 高齢になると、排尿をうまくコントロールできなくなる人が増えます。でも、外出時にトイレが気になるのは何とかしたいですね。

 今回処方されたネオキシテープには、お義母さんがこれまで飲まれていたポラキスと同じ成分が入っています。飲み薬の場合、口が渇くなどの副作用が起こりがちですが、貼り薬の場合、副作用が出にくいとされています。このテープ1枚を貼ると、ポラキスを飲んだのとほぼ同じくらいの作用があることが分かっています。ただ個人差もありますし、使われた感触を、次回の受診時に先生によくお話しくださいね。

 貼る場所はベルトを締める位置より下の、下腹、腰まわり、ふともものどれかです。皮膚への刺激を避けるため、同じ場所に貼るのは避けてください。24時間ごとの張り替えなので、入浴後に貼り替えるといいと思います。

参考文献
1)ネオキシテープ73.5mgインタビューフォーム
2)日本排尿機能学会「過活動膀胱診療ガイドライン改訂ダイジェスト版」(2008年)

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ