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TOPICS
新薬22成分32品目が承認 ほか
日経DI2014年8月号

2014/08/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年8月号 No.202

新薬22成分32品目が承認
IFNフリーの経口C型肝炎治療薬、SGLT2阻害薬カナグリフロジンなど

 厚生労働省は7月4日、新薬22成分、32品目を承認した(表)。

表 7月4日に承認された主な新医薬品

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 承認されたのは、インターフェロン(IFN)無しでC型肝炎を治療可能な経口抗ウイルス薬のダクラタスビル塩酸塩(商品名ダクルインザ)とアスナプレビル(スンべプラ)、SGLT2阻害薬として国内5成分目となるカナグリフロジン水和物(カナグル、17ページ参照)、多剤耐性肺結核治療薬のデラマニド(デルティバ)など。ダクラタスビルとアスナプレビルは併用する。そのほか、医療上の必要性が高いとして厚労省が新剤形の開発企業を募集した抗菌薬メトロニダゾールの点滴静注薬アネメトロも承認された。


8割がGE薬とOTC薬の違い分からず
くすりの適正使用協議会による一般市民向け調査で

 ジェネリック医薬品とOTC薬の違いを正しく理解している一般市民は約2割にすぎないことが、くすりの適正使用協議会(理事長:慶應義塾大学薬学部教授の黒川達夫氏)による意識調査で明らかになった。

 調査は2014年6月に、一般成人男女900人(20~30歳代、40~50歳代、60歳以上の各年齢層で300人ずつ)を対象に、インターネット上で実施した。

 「ジェネリック医薬品とOTC医薬品は同じである」という記述に対し、「正しい」「間違い」「分からない」から自分の考えに最も近いものを選んでもらったところ、正解の「間違い」を選んだ回答者は21%にとどまった。「正しい」(18%)、「分からない」(61%)を合わせると、ジェネリック医薬品とOTC薬の違いを理解していない人は約8割にも上る。

 また、「薬局・ドラッグストア等で処方箋なしに購入できる一般用医薬品では、第1類医薬品より第3類医薬品の方が、副作用などに注意して使用する必要がある」という記述にも、正解したのは19%にとどまった。そのほか、87%の人が、自分が病院で処方された薬を家族に譲渡してはいけないことを理解していながら、そのうち約4割は「譲渡した経験がある」と答えた。


日本調剤が全500店舗で在宅医療に対応へ
7月から管理薬剤師向け研修

 日本調剤(東京都千代田区)は、在宅医療分野の応需体制を強化するため、7月5日から全店舗の管理薬剤師を対象とした集合研修を開始した。同日時点で在宅訪問の実績があるのは全498店舗中155店舗と3分の1弱にとどまるが、全ての薬局で対応できるようにするのが狙い。2015年1月までに、全国15会場で17回の集合研修の実施を予定している。

 同社では、店舗の多くが地域の基幹病院門前に位置しているという特性を生かし、病院の薬剤部や地域医療連携室との連携を軸に、医療依存度が高い患者へのサービス提供を強化していく方針。


配合剤後発品の統一名称案を公表
日本ジェネリック医薬学会、「アムバロ」「バルヒディオ」など

 7月13日、日本ジェネリック医薬品学会が記者会見を行い、配合剤後発品の商品名乱立を避けるための統一ブランド名称案を新たに発表した。同学会では2013年に、降圧薬のロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド(先発品商品名プレミネント)の後発品の統一ブランド名を「ロサルヒド」とすることを決め、学会が商標登録を行った。今回の統一ブランド名称案はこれに続く第2弾となる。

 名称案が決定したのは4種の配合剤。高血圧治療薬バルサルタン・アムロジピンベシル酸塩(同エックスフォージ)が「アムバロ」、高血圧治療薬バルサルタン・ヒドロクロロチアジド(同コディオ)が「バルヒディオ」、高血圧・高コレステロール血症治療薬アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物(同カデュエット)が「アマルエット」、βラクタマーゼ阻害薬配合抗菌薬タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム(同ゾシン)が「タゾピペ」で、学会で商標登録済み。また、これらが使用できなかった場合のために、学会では第二案として、アムバロの代わりに「アムサルピン」、バルヒディオは「バルヒドタン」、アマルエットは「アマロスタン」も用意している。

 なおこれらの名称は、学会が各メーカーから要望を受けて決定しているものだが、メーカーに対する拘束力はない。


薬局が指定取り消し処分
診療所の不正請求と同時発覚
患者を介さぬ処方箋で調剤

 関東信越厚生局は7月24日、調剤報酬を不正請求したとして、いとう調剤薬局(東京都練馬区)の保険指定と、不正請求に関与した薬剤師の保険薬剤師登録を取り消した。

 処分の理由は、患者を介さず持ち込まれた処方箋に従い調剤し、調剤報酬を請求したことによるもの。架空の処方箋を作成して不正請求を行っていた診療所の医師が同薬局にその処方箋を持ち込み、同薬局が調剤して薬剤を診療所に届けていた。同厚生局では、「患者を介さず医師から処方箋を直接持ち込まれることに薬局が疑念を抱かないことはあり得ない」としている。。


自治体が薬歴を一元管理
長崎県五島市で全薬局が対応
市民の20%強が参加

 長崎県五島市が、市民の薬歴を一元管理する調剤情報共有ネットワークシステムの本格運用を開始していることを、同市にシステムを提供するメディカルアイ(東京都港区)が発表した。同社によると、五島市に19軒ある全ての保険薬局がシステムを整備し、約4万人の市民のうち、20%強に当たる約9000人がネットワークに参加しているという。

 このシステムは、レセコンから情報を取得してクラウドサーバーで管理する方式。患者自身には情報入力の手間が掛からない。ネットワークには、薬局だけでなく、中核病院や公設診療所、消防署なども加入している。


医薬品の新バーコード表示
切り換えまで残り1年
関係者が薬局での対応促す

 厚労省は7月2日、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会で、医薬品の新バーコード表示への対応を促した。

 内用薬と外用薬のバーコード表示に関しては、販売包装単位で表示が行われているが、15年7月以降、調剤包装単位で表示することが必須となる。しかし厚労省の調査によると、13年9月末時点における調剤包装単位の表示率は、内用薬が37.6%、外用薬が34.6%にとどまっていることが判明している。また、現行のJANコード表示は15年7月で禁止されるため、在庫管理にJANコードを使用している薬局があることに対して懸念が示された。


危険ドラッグ2種の成分が初の緊急指定による規制
池袋の暴走事故を受けて

 厚労省は7月15日、危険ドラッグ(脱法ドラッグ)として流通している製品に含まれる2種類の成分を、薬事法の規制対象となる「指定薬物」に緊急指定すると発表した。緊急指定による規制は初めて。

 この2種類の成分は、いずれもカンナビノイド系とされる薬物で、中枢神経系に分布するカンナビノイド受容体に作用して幻覚などを引き起こす。6月下旬に東京の池袋駅周辺で発生した、車の暴走事故の容疑者が使用していたとされる。通常、指定薬物は専門家会議での検討などを経て指定されるが、それらを経ずに緊急指定が可能とする、同法の特例が今回初めて適用された。


新薬DIピックアップ
カナグル錠100mg《2014年7月4日製造販売承認》
欧米で販売が先行するSGLT2阻害薬

 7月4日、2型糖尿病治療薬カナグリフロジン水和物(商品名カナグル錠100mg)の製造販売が承認された。1日1回100mgを朝食前または朝食後に経口投与する。

 カナグリフロジンは、選択的SGLT2(ナトリウム依存性グルコース共輸送体2)阻害薬であり、腎臓近位尿細管においてSGLT2によるブドウ糖再取り込みを抑制することで、糖を尿中に排泄させ血糖を下げる。臨床試験では、長期(52週)にわたりHbA1cを低下させる効果が確認されている。

 SGLT2阻害薬としては、既に発売されたイプラグリフロジン L-プロリン(スーグラ)、トホグリフロジン水和物(デベルザ、アプルウェイ)、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(フォシーガ)、ルセオグリフロジン水和物(ルセフィ)に次いで5成分目の薬剤である。

 国内では他製品に比べ申請時期が遅れたが、米国では13年3月に最初に承認されたSGLT2阻害薬として先行し、欧州でも13年11月に承認されている。欧州ではメトホルミンとの配合剤も承認されている。米国の調査会社IMSヘルス社は、14年6月時点の米国での新規・切り替え・追加処方における合計シェアがDPP4阻害薬のシタグリプチン(ジャヌビア)を上回るとの調査結果を公表している。

 使用に際しては、承認時までの国内臨床試験で何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が29.1%に認められていることに注意する。主な副作用は、無症候性低血糖(6.8%)、低血糖症(4.8%)、頻尿(3.4%)、血中ケトン体増加(2.9%)、便秘(2.2%)などである。また、重大な副作用として低血糖、腎盂腎炎が報告されている。

 本薬剤は高度腎機能障害患者および透析患者には効果が期待できないため、投与しないこととされている。また、中等度腎機能障害患者では効果が十分に得られない可能性があるとして慎重投与となっている。

※『DI Online』に掲載した新薬情報の中から、注目製品をピックアップしました。(協力:東京慈恵会医科大学病院薬剤部 北村正樹氏)

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