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特集:OTC薬
Case05/糖尿病の患者
日経DI2014年7月号

2014/07/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年7月号 No.201

 暑い時期には、熱中症予防のためにこまめに水分を取るよう指導するとともに、その水分の取り方についての指導もしたい。「汗をかいたらスポーツドリンク」というイメージから、日常的な水分補給にスポーツドリンクを利用する人がいるが、特に糖尿病患者では、含まれる糖分が気になる。

 せいら調剤薬局(熊本市東区)管理薬剤師で、日本糖尿病療養指導士の認定を持つ廣田有紀氏は「水をこまめに取ってもらうように話しつつ、特に糖尿病患者には、糖分の多いスポーツドリンクなどは避けるように注意を促す」と話す。低血糖が怖いといった理由から、スポーツドリンクなどを飲みたがる患者もいるが、その場合は「水をベースにスポーツドリンクを少し飲むなど、糖分摂取量が多くなり過ぎないような飲み方を紹介する」(廣田氏)。

 清涼飲料水の栄養成分は、100mL当たりで示されていることが多い。例えば、エネルギーは20~30kcal程度、炭水化物(糖質)は5、6g程度と表示されていると、一見、大したことがないように思える。500mLのペットボトル1本分の量に換算し、注意を促したい。

 下痢を起こした糖尿病患者が、薬局で水分をしっかり取るように勧められたため、スポーツドリンク1.5Lを一気に飲んでしまい、血糖値が400mg/dLまで急上昇し、緊急入院したケースもある。糖尿病患者には、何で水分補給をしているかを確認した方がよさそうだ。

 また廣田氏は、「栄養ドリンクを毎日飲む患者が摂取する糖分量も気になる」と話す。商品によって大きく異なるが、1本当たり糖質を10g程度含むものもある。ドリンク剤を愛飲している患者には、「栄養不足を補うには、ドリンク剤よりも糖分が少ない錠剤にしてはどうか」と提案しているという。

患者の気持ちも大切に

 この他に血糖コントロールに影響がありそうな健康食品としては、関節の痛みの改善などを目的に利用されるグルコサミンや、ダイエットサプリメントなどに含まれるαリポ酸が挙げられる。グルコサミンでは、糖尿病患者での血糖値やHbA1cの上昇が報告されている。αリポ酸は、インスリン自己免疫症候群による低血糖を誘発したと考えられる症例が報告されている。

 しかし、「何かにすがりたいと思う患者の気持ちも大切にしたい」と廣田氏。製品に関する情報を伝えても本人が希望する場合は、血糖コントロールが良好であることを確認した上で、医師と情報共有しながら見守るという。ただし、腎症を合併している場合は、やめておくようにはっきり伝える。

患者に伝えたい一言

暑い季節には、水分を十分に取ることが大切ですが、スポーツドリンクを含む清涼飲料水には糖分が多いものがあり、多く飲むと血糖値を上げてしまう恐れがあります。多量の汗をかいたときでなければ、水をこまめに取ることで十分、水分補給ができます。スポーツドリンクではなく、甘くない水などを飲まれるようにすることをお勧めします。また、夏バテ防止に栄養ドリンクを飲まれるそうですが、栄養ドリンクにも糖分が含まれているものがあります。ビタミン不足などが気になるようであれば、液体タイプではなく錠剤タイプのものを利用されてはいかがでしょうか。

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