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特集:OTC薬
Case03/C型肝炎の患者
日経DI2014年7月号

2014/07/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年7月号 No.201

 C型肝炎では、肝細胞に鉄の過剰沈着が見られる。鉄の主な貯蔵臓器は肝臓だが、過剰に沈着すると、活性酸素などの酸化ストレスが生じ、肝細胞障害が引き起こされる。そして肝炎を進展させ、肝癌の発生に影響を与えると考えられている。

 そのためC型肝炎の患者には、酸化ストレスによる肝細胞障害の抑制を目的に、レバーやひじきといった鉄分が多い食品の摂取を控えるよう指導される。通常の、食事からの鉄の推奨摂取量は1日当たり男性7.5mg、女性10.5mg(30~49歳)だが、鉄制限食では6mg程度に抑える。

 そうした患者に対して、金田氏は「鉄分を多く含むビタミン剤や健康食品なども気を付けるように説明しているが、その一つにウコンがある」と話す。

 ウコンは古くから、肝機能改善や健胃を目的に用いられており、二日酔い対策などをうたい文句に、多くの商品が出されている。主成分のクルクミン以外に、鉄分などミネラル分が豊富に含まれることが知られている。ただし品種が多く、さらに産地や栽培方法によっても成分含有量が違うため、商品ごとの鉄分含有量は大きく異なる。

 鉄分含有量が多いことが、マスコミなどで話題となり、最近では、大手メーカーは鉄分含有量をウェブサイトで公開したり、減らした商品も売られている。しかし、情報が全く手に入らない商品も多い。「特にC型肝炎の患者は、リスクが否定できない以上、飲まない方がよい」(金田氏)といえるだろう。

 肝臓に良いというイメージから、「通販などで購入している肝疾患患者がいる。薬剤師から見るとうさん臭い商品の方が『効きそうだ』とありがたがる人もいて厄介」と金田氏は、指導の難しさを語る。そもそもウコンの主成分であるクルクミンは抗酸化作用などの薬理作用を有するが、ヒトでの有効性については十分なエビデンスがあるとはいえない。

 なお、肝障害の患者については、肝酵素で代謝される薬には注意が必要だ。代謝が遅れ血中濃度が上昇し、副作用が起こりやすくなる。特に、アセトアミノフェンは、大量服用により中毒性肝障害を起こすことが知られている。

 アセトアミノフェンは、総合感冒薬や解熱鎮痛薬の主成分としてOTC薬にも多く配合されている。NSAIDsよりも安全なイメージがあるが、「常用量であり、長期使用しなければ問題ないと考えられるが、肝障害がある場合には注意した方がよい」(金田氏)。

患者に伝えたい一言

ウコンは肝臓に良いイメージがありますが、鉄分が多く含まれているものがあり、今のCさんの状態では肝臓に負担を掛けてしまう恐れがあります。お友達が送ってくださるというウコン製品に、どのくらいの鉄分が含まれているかが分かれば、飲んでも大丈夫なものかどうかが判断できるのですが、分からない場合には、ご病気を悪化させる可能性を考えますと、今は飲まれるのは控えた方がよろしいかと思います。他にも、肝臓に負担を掛けるお薬や健康食品はいろいろあります。いつもと違うものを取り寄せたり、飲まれたりするときには、一度、ご相談ください。

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