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特集:OTC薬
Case01/ 高血圧の患者
日経DI2014年7月号

2014/07/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年7月号 No.201

 血圧の上昇に、食塩の過剰摂取が影響を与えることはよく知られている。食塩制限による降圧効果は、個人差があるが、高血圧患者で減塩1g/日ごとに収縮期血圧が約1mmHg減少するという報告もある。塩分を控えるよう指導される高血圧患者は多い。

 そうした患者に対して、深井ファミリー薬局の金田氏は「OTCの制酸薬や便秘薬に含まれる炭酸水素ナトリウム(重曹)にも気を付ける必要がある」と話す。炭酸水素ナトリウムは、胃酸と反応し、塩化ナトリウムが生じるからだ。例えば、太田胃散(太田胃散、第2類医薬品)の炭酸水素ナトリウムの含有量は1日量で1875mg。これから生じる食塩(塩化ナトリウム)の量は、「塩化ナトリウム分子量/炭酸水素ナトリウム分子量×炭酸水素ナトリウム含有量」で計算でき、1304.3mgとなる。日本高血圧学会が推奨する減塩目標は食塩6g/日未満だが、その20%程度に相当する。せっかくの減塩の努力が水の泡となりかねない。

 ほかに、金田氏は「経口補水液もナトリウム含有量が多いので、注意を促す」と言う。経口補水液は熱中症予防に効果的というイメージが強く、多量発汗や下痢などによる脱水状態にない人が、普段の水分補給に利用しているケースが、最近は多いという。

 経口補水液OS-1に含まれるナトリウム量は500mL中575mg、食塩換算で1.46gとなる。「毎日、飲むだけに気になる。ナトリウムが多く含まれることを話すとともに、普段の生活における水分補給は、水やお茶で十分と伝えている」(金田氏)。

血圧を上げる成分に注意

 高血圧患者には、他にも気を付けるべきOTC薬が多い。ツカハラ薬局の塚原氏は、「NSAIDsやカンゾウ、エフェドリンやプソイドエフェドリンなどの交感神経刺激作用を有する成分は、血圧を上昇させるため、高血圧患者にはお勧めできない」と話す。

 NSAIDsは、水分とナトリウムの貯留、血管拡張の抑制が起こり、血圧上昇を来す。カンゾウは、水分やナトリウムの貯留、カリウム低下を来し、浮腫や血圧上昇、偽性アルドステロン症が起こる場合がある。「カンゾウは、かぜ薬や漢方薬に多く含まれており、服用薬のうち複数の薬に含有されていることがある」と塚原氏。成分の重複にも、十分注意を払いたい。

患者に伝えたい一言

市販の胃薬を飲まれているそうですが、どのようなものでしょうか。胃薬には、炭酸水素ナトリウムが入っているものがあります。炭酸水素ナトリウムは、重曹ともいわれますが、胃の中で塩化ナトリウム、つまり塩となります。Aさんは、せっかく塩分を控えたお食事をされていらっしゃるのに、飲んでいる胃薬によっては、塩分の摂取量が増えてしまう場合があります。一度、胃薬を確認させていただいてもよろしいでしょうか。重曹は、便秘薬などにも入っていることがありますし、他にも高血圧の治療に影響する市販のお薬や健康食品は多くあります。何か利用されるときには、必ず薬剤師にご相談くださいね。

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