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OTCトレンドウォッチ
しみ・そばかす用薬
日経DI2014年6月号

2014/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年6月号 No.200

 しみ、そばかすに対するOTC薬の多くには、ビタミンCやアミノ酸のLシステインが配合されている。紫外線が強くなり始め、女性がしみ対策を意識する夏場を前に、需要期を迎える(図1)。特に40代、50代の女性が購買の中心であるLシステイン配合剤は、この動きが顕著である。単味のビタミンC製剤は、Lシステイン配合剤よりも購買層が広く、8月まで需要期が続く。

図1 2013年のビタミンC製剤とLシステイン配合剤の月別販売額(SDIによる)

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 2011年からの3年間の販売動向を見ると、市場は前年割れで推移している(図2)。11年は東日本大震災の影響で、一部の製品が供給不足となったという特殊要因もあり、前年比78.5%の102億円と市場は大きく縮小したが、その後も回復は見られない。中長期的には市場は縮小傾向にある。

図2 ビタミンC製剤とLシステイン配合剤のカテゴリー別販売額と年次推移(SDIによる)

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 市場縮小の背景には、廉価な健康食品との競合が考えられる。また、加工食品の中には、ビタミンC含有を訴求するものも多く、潜在的な需要減の遠因になっていることも考えられる。

 ビタミンC製剤には、流通企業のプライベートブランドも多い。また、Lシステイン配合剤の中には、差別化を図るため、「薬」ではなく「美容」をイメージさせて化粧品のようなブランド戦略を取る製品もある。付加価値により、新たな需要を喚起しようとしている。(林)

林 芳行
Yoshiyuki Hayashi
株式会社インテージヘルスケア事業本部 SDIインデックスマネージャー
同社のSDI(全国一般用医薬品パネル調査)をはじめとした、OTC薬の市場動向について分析している。市場調査・マーケティングリサーチのパイオニアであるインテージで、OTC薬を含むヘルスケアを担当。

SDI(全国一般用医薬品パネル調査):全国3211店の薬局・店舗販売業、ドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンターを対象に、OTC薬をはじめとしたヘルスケア関連のPOSデータを収集し、情報提供するインテージのサービス。


注目のしみ、そばかす用薬

 しみ、そばかす用のOTC薬に配合されているビタミンC、Lシステインは、しみの元となるメラニンの過剰な生成を抑制するとともに、肌に沈着した黒色メラニンを無色化する効果がある。また、Lシステイン、ビタミンE、ビタミンB2・B6などは、肌の新陳代謝を正常化し、メラニンの排出を促す効果がある。

ビタミンC「タケダ」

武田薬品工業 第3類医薬品

 ビタミンC「タケダ」(武田薬品工業)には、アスコルビン酸(ビタミンC)とアスコルビン酸カルシウムの2種類のビタミンCが配合されており、アスコルビン酸のみに比べ、酸っぱさと胃への負担が軽減されている。ナトリウム塩でないため、高血圧の方にも薦めやすい。15歳以上の成人は1回1~3錠を1日2回、食後に服用する。7歳から1回1錠を服用できる。

 副作用としては吐き気や胃部不快感、食欲不振など消化器症状が出ることがある。なお、ビタミンBを含むため、尿が黄色くなることがある。尿や便の検査の際には、本剤を服用していることを知らせるよう伝える。

ハイチオールCプラス

エスエス製薬 第3類医薬品

 食前・食後にかかわらず、いつでも服用できる製品としては、ハイチオールCプラス(エスエス製薬)がお薦めだ。1日量としてLシステイン240mg、アスコルビン酸500mg、パントテン酸カルシウム24mgを含む。成人は1回2錠、7~14歳は1回1錠を、1日3回服用する。しみ、そばかす、日焼けなどの色素沈着症のほか、にきび、湿疹、蕁麻疹、かぶれ、薬まけ、全身倦怠、二日酔いにも効能を有する。

 同ブランドで、銀色の箱のハイチオールCプルミエールは、1日2回の服用で、アスコルビン酸が300mgと少なめである。

肝斑にはトラネキサム酸配合
 しみの中でも、女性ホルモンが関与するとされる肝斑には、トラネキサム酸を配合したトランシーノII(第一三共ヘルスケア)を薦める。2014年3月に発売された製品で、07年に発売されたトランシーノと1日量は同じだが、服用回数が3回から2回になり、昼の飲み忘れを防ぐことができる。PTPシートで2錠ずつ切り離しができるため、持ち運びも便利になった。

トランシーノII

第一三共ヘルスケア 第1類医薬品

 1日量(4錠中)にはトラネキサム酸750mg、Lシステイン240mg、アスコルビン酸300mg、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)6mg、パントテン酸カルシウム24mgを含む。透析患者、他にトラネキサム酸含有製剤を服用している患者には禁忌である。トラネキサム酸は、かぜ薬などに含まれることがあるので注意が必要だ。また、血栓の副作用が懸念されるため、血栓症の既往、経口避妊薬やホルモン補充療法などの血栓症を起こす恐れのある薬を服用している人などにも注意する。

 成人(15歳以上)1日2回、1回2錠を食後に服用する。薬の効果が分かる目安として1カ月程度は連続して服用する必要があるが、2カ月を超えての服用は避ける。服用中止後に再発した場合は、また服用できるが、再開までに最低2カ月は休薬する必要がある。

 また、同ブランドの新製品として、トラネキサム酸を含まないトランシーノホワイトC(第3類医薬品)も発売された。アスコルビン酸1000mgに加え、Lシステイン240mg、コハク酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE)50mg、リボフラビン(ビタミンB2)6mg、ピリドキシン塩酸塩12mgを配合している。トランシーノIIと併用するとビタミンCが過量になるため、併用は避ける。トランシーノIIの休薬期間や、肝斑を除くしみ、そばかすなどに薦めるとよいだろう。(三上)

三上 彰貴子
Akiko Mikami
株式会社A.M.C 代表取締役社長、薬剤師
製薬会社勤務後、コンサルティング会社勤務を経て2005年から現職。医療分野のコンサルティングを行う傍ら、一般用医薬品に関する寄稿や講師の活動も行う。

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