DI Onlineのロゴ画像

薬局なんでも相談室2
相談室2:初回質問票の記入を拒む患者
日経DI2014年6月号

2014/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年6月号 No.200

 ご存じのとおり、来局した患者に対する調剤拒否は、法律上問題があります。薬剤師法第21条により、薬剤師は正当な理由がなければ調剤の求めに応じる義務があるとされています。また薬剤師は、医師が発行した処方箋に従い調剤を行うことになっています(薬剤師法第23条第1項)。

 患者が初回質問票に記入しないことが調剤拒否の「正当な理由」に該当するか、というご質問ですが、結論から言うと、調剤拒否の理由として是認されないでしょう。薬剤師は患者情報の収集が義務とされていますが、患者は自身の情報を薬剤師に提供する義務はありません。

 そのため、患者が質問票に記入しなかった場合でも、薬剤師は患者に口頭で質問したり、患者の状況をよく観察したりして、できるだけ情報を得るように努力しなければなりません。その結果、何らかの危険が予測される場合には、医師に問い合わせをするなどして対処すべきでしょう。薬剤師が十分な努力をしても、患者が一切の情報提供を拒否した場合、それによって生じた問題の責任は、患者が負うことになるでしょう。

 2013年12月に公布された「薬事法と薬剤師法の一部を改正する法律」が、この6月に施行されます。改正薬事法の第9条の3第3項には、「薬局開設者は、(中略)情報の提供又は指導ができないとき、(中略)薬剤の適正な使用を確保することができないと認められるときは、当該薬剤を販売し、又は授与してはならない」という条文が追加されました。

 実はこれまでも、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(療担規則)の第8条で、「保険薬剤師は、調剤を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない」とされていました。今回の薬事法改正は、療担規則の規定を一歩進め、薬剤師の責任を重くしたものと言えます。

 今回の法改正により、薬剤師は、調剤に本当に必要な情報を、患者ごとに判断することがこれまで以上に求められるでしょう。改正法が現場でどのように運用されるのか、現時点では明らかになっていませんが、今後、注意深く見守っていく必要があります。

  • 1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んでいる人におすすめ