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薬局なんでも相談室1
相談室1:むずむず脚症候群とはどのような病気か
日経DI2014年6月号

2014/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年6月号 No.200

 むずむず脚症候群は、レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)とも呼ばれる、脚に不快な感覚が現れて脚をじっとしていられないことを特徴とする慢性の神経疾患です。夕方から夜にかけて症状が強まるため、しばしば不眠の原因となり、生活や仕事に支障を来すこともあります。RLSは比較的頻度の高い疾患で、日本人の1~4%に認められ、男女比は1:2で女性に多く、年代別では中高年に多くみられますが、子どもから高齢者まであらゆる年代に発病します。患者の大部分に病気の認識はなく、多くは見過ごされているのが実態です。

 病態については、脳が鉄欠乏となり、夜間に中枢ドパミン神経伝達が低下して脊髄の神経細胞が興奮状態となり、下肢の筋肉に興奮と異常感覚が発現するメカニズムが考えられています。患者の大部分は原因の明らかでない特発性RLSですが、一部は鉄欠乏性貧血、腎不全、妊娠、末梢神経障害などに伴う二次性RLSです。このほか、抗精神病薬、制吐薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬を使用した後でRLSが発現した患者では、薬剤誘発性RLSのことがあります。

 RLSを専門的に診療するのは睡眠クリニックや神経内科になります。RLSの診断には、(1)脚を動かしたい強い欲求、下肢の不快な異常感覚、(2)安静で発現・増強、(3)運動により改善、(4)夕方・夜間に増強─の必須診断基準4項目を全て満たす必要があります。

 RLSの治療は、症状が軽度なら非薬物療法を主体とし、症状が中等度以上のときに薬物療法を考慮します。非薬物療法は、RLSを誘発したり悪化させる生活習慣を改善する試みです。カフェイン、ニコチン、アルコールはRLSを悪化させるので避けるようにして、鉄分を十分に取るようにします。睡眠衛生の改善に努めて、寝る前に入浴やマッサージやストレッチを行うと夜間の症状が和らぎます。症状が出現しそうなときに読書やテレビゲームなどに集中するのも効果的です。

 薬物療法では、中等度以上のRLSに対してドパミン製剤、α2-δリガンド、ベンゾジアゼピン、オピオイドを用います。第一選択薬はドパミンアゴニストで、単剤治療で十分な効果がありますが、効果が不十分なときや副作用で服薬できないときにα2-δリガンドやオピオイドに切り替えたり、不眠が残る場合にベンゾジアゼピンを併用したりします。

 長期のドパミンアゴニスト治療により、RLS症状が早い時間帯に現れたり、症状が強くなったり、症状の部位が広がったりするオーグメンテーション(症状促進現象)という副作用がみられることがあります。その場合には薬剤を中止したり切り替える必要があるので、治療中は患者の訴える症状の変化に注意していなければなりません。

 わが国でRLS治療に健康保険を使える薬剤は、ビ・シフロール(一般名プラミペキソール塩酸塩水和物)、ニュープロパッチ(ロチゴチン)、レグナイト(ガバペンチンエナカルビル)になります。

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