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実践!保険塾
2014年改定の解説(2)
日経DI2014年6月号

2014/06/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年6月号 No.200

 前回に引き続き、2014年調剤報酬改定の内容について解説する。前回は調剤基本料の見直しについて解説したが、今回はそれ以外のポイントを解説する。

 今改定では、在宅医療に対する薬局のさらなる参画および質の向上を目的とした点数の変更が大きなテーマとなった。基準調剤加算の要件に在宅医療の実績が盛り込まれただけでなく、在宅患者訪問薬剤管理指導料の適正化も図られている。

 具体的には、同一建物居住者以外の患者を訪問した場合の点数を500点から650点に引き上げる一方で、同一建物居住者の患者では350点から300点に引き下げた。それだけでなく、在宅患者訪問薬剤管理指導料を、薬剤師1人当たり1日に5回までしか算定できないことになった。

 実務をサポートするための要件緩和も行われた。在宅患者が自宅で使用する注射薬のうち、保険薬局で交付できる薬剤に、電解質製剤と注射用抗菌薬が追加された。処方箋に基づき薬局で交付できる特定保険医療材料に、創傷被覆材や非固着性シリコンガーゼなどが追加となった。さらに、中心静脈栄養法用輸液、抗癌剤または麻薬に無菌製剤処理を行った場合の点数が引き上げられ、1日につきそれぞれ65点、75点、65点(6歳未満の乳幼児は、それぞれ130点、140点、130点)を加算可能となった。

 このほか、医療機関において在宅患者に対し、在宅患者訪問薬剤管理指導の届出を行った薬局のリストを文書により提供することは、特定の薬局への誘導には当たらないことが明記された。一方、薬局などが介護事業者や施設などに対して金品を提供し、患者を誘引することを療養担当規則などで禁じる旨が明記された。

調剤料に関しては大きな変更はないが、消費税増税への措置として、一包化加算が7日分ごと30点から32点へ(56日分以上は270点から290点へ)引き上げられたほか、無菌製剤処理加算についても手当てされた。

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 では、問題1を解説する。まず注意すべきは、薬学管理料の在宅患者訪問薬剤管理指導料である。有料老人ホームに居住している患者であり他の患者も同日に訪問しているため、通常であれば在宅患者訪問薬剤管理指導料は300点となる。ただし、他にも5人の患者を訪問薬剤管理指導して指導料を算定していることから、この患者は6人目に当たる。同一日に在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定できるのは5回までであり、この患者に訪問薬剤管理指導を行ったとしても点数は算定できない。

 ただし、在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定しない場合、薬剤服用歴管理指導料の算定は可能である。薬剤師は患者が所有するお薬手帳に記録を付けているため、41点を算定できる。このため、薬学管理料の合計は41点である。

 次に、調剤技術料についてであるが、この薬局では調剤基本料の特例に該当しないため、41点を算定できる。基準調剤加算1の施設基準の届け出を行っているほか、後発医薬品調剤体制加算1の要件を満たすことから、加算としてそれぞれ12点および18点を算定できる。このため、調剤基本料は加算も含めて41点+12点+18点で71点となる。

 また、内服薬の調剤料は、(1)のメバロチン錠10が5点×7日分+4点×7日分=63点であり、(2)のメリスロン錠6mgも同様の計算になるため、63点+63点=126点である。これらはともに錠剤であり特に一包化などをしていないことから、加算はない。従って、調剤技術料の合計は、71点+126点=197点となる。

 最後は薬剤料である。薬価はメバロチン錠10が1錠94.8円、メリスロン錠6mgが8.5円である。薬剤料は「所定単位(点)」×「投与単位」で計算し、内服薬は所定単位が1剤1日分、投与単位が日数である。このため、(1)が9点×14日分=126点、(2)が3点×14日分=42点であり、合計は126点+42点=168点である。

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 問題2は、調剤技術料から計算してみる。処方箋受付回数と集中率から判断すると、調剤基本料は特例の対象になる。処方箋を24時間受け付けているが、日・祝日は電話対応であり、これでは24時間開局していることにならないため、特例の適用除外とはならない。そのため調剤基本料は25点であり、基準調剤加算1も算定対象とはならない。また、後発品調剤比率が50%なので、後発医薬品調剤体制加算も算定できず、調剤基本料の合計は25点である。

 調剤料は(1)と(2)が1剤なので日数が長い28日分の調剤料として81点、(3)が63点である。また、これらを一包化するため一包化加算64点(14日分)を算定できる。これらを合計すると、調剤技術料は25点+81点+63点+64点=233点となる。

 薬学管理料は、薬剤服用歴管理指導料を算定できるが、算定要件にある「服用に際して注意すべき事項を手帳に記載すること」ができていないため、34点を算定する。

 薬剤料に関しては、(1)のパセトシン錠250が1錠10.7円、(2)のインデラル錠10mgが1錠15.0円、(3)のエリーテン錠5mgが1錠5.6円である。このため、(1)は3点×10日分=30点、(2)は4点×28日分=112点、(3)は1点×14日分=14点となり、合計すると156点である。

講師 伊藤 典子
Ito Noriko
NIメディカルオフィス(東京都中央区)会長。医療秘書教育全国協議会医事CP検定委員などを経て、2000年に診療報酬、調剤報酬の解説書の出版事業などを行う会社を設立。

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