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第99回薬剤師国試、合格率は“過去最低”の60.84% ほか
日経DI2014年5月号

2014/05/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年5月号 No.199

第99回薬剤師国試、合格率は“過去最低”の60.84%
前回より18ポイント低下、合格者実数も1600人減

 3月31日、第99回薬剤師国家試験(3月1日、2日に実施)の合格発表が行われた。受験者数1万2019人に対して合格者は7312人で、合格率は60.84%だった。この合格率は、国試が年1回の実施となった1988年以降では、薬学教育が4年制から6年制に切り替わり新卒者が輩出されなかった2010~11年の“空白の2年”を除き、過去最低。13年の合格率は79.10%で12年の88.31%より9ポイント低下していたが、14年の合格率はそれよりもさらに18ポイントも低下するという、厳しい結果となった。合格者の実数としても13年の8929人から約1600人減っており、薬局や病院などでの薬剤師採用計画に甚大な影響を及ぼしている。

 今回の薬剤師国試は、6年制課程修了者を対象とした3回目のもの。6年制の新卒者の合格率は70.49%で、13年の83.60%(6年制卒として集計)を大きく下回った。ちなみに、14年は6年制新卒者と6年制既卒者を別に集計しており、6年制既卒者の合格率は39.85%、その他は13.24%だった。

 合格率を設置主体別に見ると、国立が69.95%(13年は81.20%)、公立が70.98%(同84.06%)、私立が60.08%(同78.89%)と、いずれも前年より大きく低下した。大学別の合格率上位10校を表1、下位10校を表2に示す。上位10校には国立大学が3校ランクインした。また、合格率が50%未満の大学が16校もあった。なお、出願したが受験しなかった人は2020人と出願者の14.4%を占め、過去3回で最多となった。

表1 第99回国試の合格率上位10校

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表2 第99回国試の合格率下位10校

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新薬14成分が薬価収載、5製品が即日発売
日本初のSGLT2阻害薬が登場、スギ花粉舌下液は収載見送り

 厚生労働省は4月17日、新薬14成分27品目を薬価収載した(表3)。

表3 2014年4月17日に薬価収載された主な新医薬品

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 内用薬は10成分17品目。日本初のナトリウム依存性グルコース輸送担体(SGLT)2阻害薬であるスーグラ(一般名イプラグリフロジンLプロリン)が収載され、同薬を含む5成分(内用薬3成分、注射薬2成分)が即日発売となった。SGLT2阻害薬は新機序の2型糖尿病治療薬で、他に5成分6製剤が承認または承認申請中であり、糖尿病の薬物療法に大きな影響を与えそうだ。

 なお、1月17日承認のシダトレンスギ花粉舌下液(標準化スギ花粉エキス)は薬価交渉不調のため収載が見送られた。


要指導医薬品、劇薬5品目含む25品目が指定へ
月経前症候群治療薬プレフェミンなど未発売5品目も指定

 厚生労働省は4月4日、薬事・食品衛生審議会の要指導・一般用医薬品部会で、薬剤師による対面販売が必須となる「要指導医薬品」として表4の25品目を指定することを決めた。改正薬事法が施行される6月12日までに指定する。

 内訳は、市販直後品目が15品目、劇薬が5品目、既承認で未発売の品目が5品目。4月3日に製造販売承認された、ダイレクトOTC薬のプレフェミン(成分チェストベリー乾燥エキス)は、要指導医薬品の指定後に発売される。

 要指導医薬品は、使用者本人に対面でのみ販売でき、薬局開設者には販売記録を残すことなどが義務付けられている。

表4 要指導医薬品に指定される25品目(カッコ内は成分)

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HbA1cや中性脂肪など
薬局での自己採血検査のガイドラインが公表

 薬局などが検体測定事業を実施する際の手続きや留意点などを示した「検体測定室に関するガイドライン」が、4月9日に公表された。薬局などで自己採血による簡易な検査を実施できるよう、臨床検査技師法に基づく告示が改正され、4月1日から適用されたことに対応した。

 同ガイドラインでは、「民間事業者が、利用者が自己採取した検体を対象に診療の用に供しない生化学的検査を行う事業」を「検体測定事業」、同事業を行う施設を「検体測定室」と定義。薬局など薬剤師が常勤する施設では、HbA1cなどの測定サービスの実施が可能になった。


薬剤師が患者宅でできる業務が拡大
調剤量の減量が可能に

 在宅における薬剤師の業務を拡大する薬剤師法施行規則の改正省令(平成26年3月31日付厚生労働省令第48号)が、4月1日から施行された。この改正により、残薬調整のために調剤数量を減らしたり、患者や家族に運搬が困難な薬剤を患者宅で調剤することが可能になった。

 ただし、調剤数量の減量には処方医の同意が必要。また、一包化薬の開封などの操作により調剤薬の汚染や変質が生じる恐れがある場合は実施できない。運搬困難薬剤の患者宅での調剤には「患者が負傷などにより寝たきりまたは歩行困難で、患者や看護者が運搬困難な薬剤が処方された場合」との要件が示された。


チューブやカニューレなど
在宅療養用の医療機器分割販売が可能に

 厚生労働省は、在宅療養を行っている患者の状態に応じて、必要な量の医療機器を分割販売することを認める通達を4月11日に発出した。

 医療機器を販売するために、あらかじめ分割する行為は、薬事法第13条第1項に規定する製造行為(小分け製造)に該当するため、製造業の許可を受ける必要がある。今回の通達で、患者など特定の需要者に対しては、製造業の許可がなくてもチューブやカニューレなどの医療機器を分割販売できるようになった。対象品目は明示されていないが、内袋があるなど、容器や被包を開いても品質の劣化などが生じる可能性が低いものに限られる。


薬剤師の介入で在宅医療の質が向上
厚労省研究班が初の全国調査、残薬整理に大きな経済効果

 薬局薬剤師が在宅医療に積極的に関わることで、薬物治療のアウトカムや効率が向上することが、初の全国調査で実証された。厚生労働省研究班「地域医療における薬剤師の積極的な関与の方策に関する研究」による。調査対象は、訪問業務を実施している日本薬剤師会会員薬局(1890薬局、患者5447人)。

 残薬整理に関しては、薬剤師の介入により訪問患者の41.6%で残薬が減り、残薬分の1人当たり薬剤費は4885円から921円へと圧縮された(図)。薬剤の重複や漫然投与など処方上の問題点の疑義照会に対しては、37.1%で処方が変更された。

図 薬剤師の訪問による残薬整理の効果

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統合失調症治療薬
ゼプリオン水懸筋注でブルーレター

 厚生労働省は4月17日、統合失調症治療薬のゼプリオン水懸筋注(一般名パリペリドンパルミチン酸エステル)について、製造販売元のヤンセンファーマに、使用上の注意の改訂と安全性速報(ブルーレター)の配布を指示した。ゼプリオンの使用患者で4月16日までに21例の死亡例が報告されたことを受けた措置。

 ブルーレターでは、(1)パリペリドンやそのプロドラッグであるリスペリドンの投与歴がない患者には、まず経口剤を投与して忍容性を確認する、(2)リスペリドン持効性懸濁注射液からの切り替え時には過量投与にならないよう注意する─などの点を注意喚起している。


モーラステープなどケトプロフェン外皮用薬
妊娠後期女性で禁忌に

 妊娠後期の女性に対するケトプロフェン外皮用薬(商品名モーラス他)の使用について、厚生労働省は3月25日に添付文書の変更を指示。テープ剤は従前の「慎重投与」から「禁忌」に、パップ剤やゲル剤などテープ剤以外の外皮用薬でも新たに禁忌となった。ケトプロフェンのテープ剤を使用した妊娠後期の女性の胎児において、死産につながる恐れのある動脈管収縮の発生が過去3年で2例確認されたため。インドメタシンなどケトプロフェン以外の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)外皮用薬にも、妊婦などへの投与に関して、類薬で妊娠後期女性の胎児に動脈管収縮が起きた旨が追記された。


ヤマトグループ
宅配便サービス網生かしOTC薬ネット販売を支援

 ヤマトホールディングス傘下のヤマトシステム開発(東京都江東区)は4月1日、ドラッグストアを対象に、OTC薬のインターネット販売と当日配達を支援する「医薬品ネット販売当日宅配サービス」の提供を開始した。OTC薬ネット販売のためのウェブサイトの立ち上げから代金決済、商品配達までを包括的にサポートする。15年3月までに20社の受注獲得を目指す。

 同サービスでは、核となる通販サイトの構築のほか、代金決済や商品配達などの関連サービスをグループ各社が請け負う。宅配便サービス網を通じた効率良い集配により、販売店からおよそ10~30km以内であれば当日配達が可能だという。


日本臨床腫瘍薬学会が
外来がん治療認定薬剤師47人を初認定

 日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)はこのほど、同学会が2013年4月に創設した「外来がん治療認定薬剤師」制度による認定薬剤師47人を認定した。同認定薬剤師は、外来化学療法や経口抗癌剤など入院外で行われる癌治療の薬学的な支援に特化した専門資格で、病院薬剤師だけでなく薬局の薬剤師にも門戸が開かれており、1人が認定された。

 認定試験は筆記試験と面接試験の2本立てで、面接試験の実施は薬剤師の認定資格としては初めて。JASPOは今後10年で、病院薬剤師から1000人、薬局薬剤師からは3000人の認定薬剤師を輩出したいとしている。


新薬DIピックアップ
タケルダ配合錠《3月24日製造販売承認》
日本初の低用量アスピリンとPPIの配合剤

 2014年3月24日、アスピリン・ランソプラゾール配合製剤(商品名タケルダ配合錠)の製造販売が承認された。効能は「次の疾患または術後における血栓・塞栓形成の抑制:(1)狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作、脳梗塞)、(2)冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後」で、用法・用量は「成人、1日1回1錠を経口投与」である。

 本薬は、1錠中にアスピリン100mgと、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のランソプラゾール(タケプロン他)15mgとを配合した製剤である。アスピリンとPPIの配合剤として、初の製剤となる。

 アスピリンは、優れた抗血小板作用を有する一方で、胃・十二指腸潰瘍の副作用を惹起する欠点も指摘されている。そのため、通常のアスピリン使用時には、PPIなどの消化性潰瘍治療薬の併用が行われるが、低用量アスピリン療法時に併用できるPPIとしては、「薬剤投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発予防」に適応を有するランソプラゾールもしくはエソメプラゾール(ネキシウム)のみとなっている。

 今回、承認されたタケルダは、低用量アスピリンとランソプラゾールの配合剤であり、1剤にすることで副作用(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)の低減、患者の服薬負担の軽減に貢献することが期待されている。低用量アスピリンの長期投与を必要とする消化性潰瘍の既往者を対象とした臨床試験では、15.9%に臨床検査値異常を含む副作用が認められており、主な副作用は便秘(3.9%)、下痢(2.5%)である。

 なおタケルダの使用は、「胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往がある患者」に限定される。また、同薬はアスピリンを含む腸溶性の内核錠を、ランソプラゾールを含む腸溶性細粒の外層で包み込んだ構造なので、割ったり、砕いたりしないよう患者に注意を促しておきたい。

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