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薬局なんでも相談室2
相談室2:クローン病の食事療法の留意点
日経DI2014年4月号

2014/04/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年3月号 No.197

 クローン病は、小腸や大腸を中心とした消化管に原因不明の炎症が持続し、悪化すると潰瘍、狭窄、膿瘍、穿孔を来す難病です。この10年ほどで抗TNFα抗体製剤のインフリキシマブ(商品名レミケード)やアダリムマブ(ヒュミラ)などによる治療が行われるようになり、寛解状態の患者は増えた印象があります。寛解しても、狭窄症状を起こす恐れがあるので、食事には配慮する必要があります。

 食事療法では、術後など状態が悪化している時は、エレンタールなどの経腸成分栄養剤を100%とし、徐々に食事の割合を増やして、最終的に食事が100%になるようにしていきます。

 食事療法の原則は、低脂肪かつ低残渣で、十分なカロリー(1日2000kcal程度)を摂取することです。

 脂肪は30g/日よりも少ない方が、クローン病の再燃を抑えられると言われています。特に肉類の油、バター、卵黄に代表される飽和脂肪酸と、ゴマ油やマーガリン、種実油といったn-6系脂肪酸は炎症を悪化させるので避け、魚介類、菜種油、エゴマ油などのn-3系脂肪酸の比率が高くなるようにします。

 低残渣については、海藻、ゴボウ、糸こんにゃくといった不溶性繊維を多く含む食材は避けます。逆にリンゴやバナナといった水溶性繊維を多く含む果物は下痢を抑える効果があるので、薦めるとよいでしょう。このほか、飲酒や香辛料、喫煙、暴飲暴食も避けるように伝えます。

 しかし、厳しい食事制限はご相談にもあるように不安を感じたり、ストレスにつながってしまい、腸によくない場合もあります。そのため、私は患者に、少しずつ体調をみながら「何をどのくらい食べられるのか」を把握してもらい、「外食するなら2日連続で中華や洋食にしない」といったルールを患者自身が決めるように勧めています。少しでも調子が悪いと感じたら、セルフコントロールも大切です。例えば、不調時にはエレンタールに加えて、無脂肪のウイダーinゼリー(森永製菓)などのゼリー飲料を組み合わせるのもお薦めです。

 このほか、患者会などが発行している情報誌を参考に、患者向けの献立のレシピなどを、薬局で情報提供するのもよいでしょう。

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