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医師が語る 処方箋の裏側
急性副鼻腔炎のつらい症状をセレスタミンで素早く緩和
日経DI2014年3月号

2014/03/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年3月号 No.197

 「1週間ほど前にかぜを引いてしまいました。熱や喉の痛みは治まったのですが、鼻づまりがひどくなる一方です。ここ2~3日は、顔が圧迫されるような感じで、頭も痛く、仕事が手に付きません」。会社員の篠原仁さん(仮名、42歳)は診察室に入るなり、悲痛な面持ちでそう訴えた。篠原さんはもともとアレルギー性鼻炎を有しているが、今回は病歴と鼻腔粘膜の発赤・腫脹といった所見から、急性副鼻腔炎と診断した。

 このような成人の急性副鼻腔炎に対して私がよくセットで処方するのが、ジェニナック(一般名メシル酸ガレノキサシン水和物)とセレスタミン(ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)だ。20~40歳代の壮年期の患者は一般に、急性の炎症症状が強く出る傾向にあり、仕事や家事などに支障を来しやすい。そのため、少量のステロイド(プレドニゾロン換算で2.5mg/錠)を含有するセレスタミンを使い、頭痛や頬部痛といったつらい症状を速やかに緩和することがポイントとなる。

 効果を実感するのは2~3日後から。自覚症状の改善は服薬コンプライアンスの維持にも効果的なようで、患者は薬がなくなる頃に必ずと言っていいほど再度受診する。

 ジェニナックは急性副鼻腔炎の起炎菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌などに対して幅広い感受性を持つニューキノロン系抗菌薬で、切れ味が良い印象。高価なジェニナック(250.8円/錠)に安価なセレスタミン(10.7円/錠)を組み合わせることで、患者の経済的負担の軽減にも配慮している。

 なお、ステロイドは長期にわたって漫然と使用しないことが鉄則だ。症状がある程度治まったら、エピナスチン塩酸塩(商品名アレジオン他)などの単味の抗ヒスタミン薬に切り替え、1週間ほど抗菌薬と併用してもらっている。

 セレスタミンは、眠気を来す恐れがある。薬局では、車の運転をはじめ危険を伴う機械の操作は控えるよう伝えてほしい。(談)

鈴木 利久氏
Suzuki Toshihisa
西大通り耳鼻咽喉科医院(岩手県花巻市)院長。1985年山形大学医学部卒業。同大耳鼻咽喉科、岩手県立花巻厚生病院などを経て、99 年から現職。医学博士。

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