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薬局なんでも相談室2
相談室2:向精神薬の多剤投与に制限?
日経DI2014年3月号

2014/03/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年3月号 No.197

 ご相談にある「向精神薬の多剤投与への制限」というのは、日本が海外と比べて向精神薬の処方剤数が多いことが問題視された結果、行われる改定のことだと思われます。

 具体的には、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬を多剤処方した場合の減算規定が新設されます。

 処方料と処方せん料は、これまでは7種類以上の内服薬かどうかで2段階となっていました(処方料は29点と42点、処方せん料は40点と68点)。しかし、今回の改定で「3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬または4種類以上の抗精神病薬の投薬を行った場合」(処方料は20点、処方せん料は30点)が新たに設定されます。

 薬剤料もこの新たな条件に該当すれば、100分の80に減算されるので、薬局にも影響が及ぶと思われます。

 また、病院が算定している精神科の入院料や精神科継続外来支援・指導料も、一定の剤数を超えた場合は算定できないように改定されます。

 ただし、他院で多剤処方された患者が受診した場合や、薬剤を切り替える際の一定期間は、減算の対象外となります。

 実は、当初、中央社会保険医療協議会(中医協)では、向精神薬の多剤投与を防ぐ方法として、医師の技術料である「通院・在宅精神療法」の減算が検討されていました。

 しかし、精神科の医師らから反発の声が上がり、厚生労働省には改定項目の中で最も多くの意見(パブリックコメント)が集まりました。精神科医らで構成される日本精神神経学会も、「薬剤数のみで『通院・在宅精神療法』を減算する案に医学的根拠はない」として反対意見を表明し、結局、処方料や処方せん料などで減算する方針に落ち着いたというわけです。

 この規定は、患者の治療に影響が及ぶことのないように減薬に必要な期間を設けるため、4月1日からではなく、10月1日から導入される予定です。患者の一部負担金が変わることで、患者が不安に感じることのないように、薬局でも留意しておくことが重要でしょう。

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