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DIクイズ3(A)
DIクイズ3:(A)アミティーザの服用方法が気になる女性
日経DI2014年3月号

2014/03/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年3月号 No.197

出題と解答 : 今泉 真知子
(秋葉病院[さいたま市南区]薬剤科)

A1

薬を空腹時に服用すると、最高血中濃度(Cmax)が高くなり、薬効が強く出過ぎたり、副作用の下痢や悪心が出現する恐れがあるため。

 便秘の治療は、器質性や薬剤性の便秘を除外した上で、食生活の改善などと併せて、薬物療法を行う。

 主な便秘治療薬には、腸粘膜を刺激して腸の蠕動を亢進させる刺激性下剤と、腸内容物の容量を増やして便を軟らかくし、排泄しやすくする機械的下剤がある。

 刺激性下剤には、センナ、センノシド、ダイオウなどのアントラキノン系誘導体や、ピコスルファートナトリウム水和物(商品名ラキソベロン他)などがある。これらは効果は強いが、長期使用により習慣化や耐性の獲得、大腸の色素沈着(大腸メラノーシス)を生じる恐れがある。便秘治療用のOTC薬には、アントラキノン系誘導体が含まれるものが多い。

 一方、機械的下剤には、塩類下剤、膨張性下剤、糖類下剤などがある。このうち最もよく使われるのが、塩類下剤の酸化マグネシウム(マグラックス、マグミット他)で、安全性が高い、習慣化しにくい、安価などの利点がある。一方で、長期投与により高マグネシウム血症を呈するリスクもある。

 今回Tさんに処方されたのは、2012年11月に発売された新規作用機序の便秘治療薬、ルビプロストン(アミティーザ)である。同薬は、機械的下剤に分類され、小腸上皮頂端膜(腸管内腔側)に存在するClC-2 クロライドチャネルを活性化し、腸管内への水分分泌を促進することで便を軟らかくし、腸管内の輸送効率を高めて排便を促進する。

 臨床試験では速やかな効果が確認されており、服薬開始1週間で自発排便回数が増加し、便の硬さや形が改善された。また、第III相長期投与試験(最長48週間投与)においても、長期間にわたり効果を持続することが示された。

 適応は、慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)で、通常、成人にはルビプロストンとして1回24μgを1日2回、朝食後および夕食後に経口投与する。Tさんには、今回初めて同薬が処方されたため、医師は、効果や副作用を慎重に見るために、まずは1日1回の処方としたと考えられる。

 同薬は、承認時の安全性評価対象例(48μg/日投与)315例中、主な副作用として、下痢95例(30%)、悪心73例(23%)が報告されている。副作用は、血中濃度依存性に起きると考えられている。

 アントラキノン系誘導体や酸化マグネシウムは、就寝前に使用するものが多いが、ルビプロストンは、食後に使用することに注意が必要である。これは、副作用の消化管症状を軽減するためである。

 海外における試験で、絶食時と食後にそれぞれ単回投与した場合の薬剤の血中濃度を比較したところ、食後投与した場合の最高血中濃度(Cmax)は、絶食下投与の約2分の1になることが確認された。空腹時に服用すると、血中濃度が高くなり、効果および副作用が増強する可能性があるため、食後服用となった。

 同様に、ルビプロストンは血中濃度が高くなり過ぎることを防ぐため、1回の量を増やせないことも覚えておきたい。患者には、自己判断で増量せず、必ず1カプセルずつ服用するよう伝える。また、服用を忘れた場合は、慌てて飲まずに次の服薬時間まで待つことも説明したい。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 お通じがすっきりしないのはつらいですね。今回Tさんに処方されたアミティーザは、市販のお薬とは異なる効き方をする新しいお薬で、腸の中の水分を増やして便を軟らかくすることで便を出しやすくします。

 このお薬は食後に服用するのが特徴です。空腹時に飲むと効き過ぎて、吐き気や下痢などの副作用が出る恐れがあるので、必ず食後に服用してください。

 また、アミティーザは、1回に飲む量を増やすことでも効き過ぎる恐れがあるので、必ず1回1カプセルを服用してください。服用を忘れた場合は、慌てて飲まずに次の服薬時間まで待って、1回分を服用してくださいね。

参考文献
1)調剤と情報 2013;9:106-15.

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