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DIクイズ1(A)
DIクイズ1:(A)ビタミンD3製剤同士の違いとは
日経DI2014年3月号

2014/03/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年3月号 No.197

出題と解答 : 笹川 大介
(はらだ薬局[鹿児島県薩摩川内市])

A1

小腸からのカルシウム吸収を増加させ、骨のリモデリングを促進する。

A1

(3)

 骨粗鬆症は、「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患」と定義されている。その発症の要因には、カルシウム代謝や骨代謝の異常などが関与していると考えられている。

 骨折の原因となる骨破壊を抑制する薬剤には、ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、エストロゲン製剤がある。

 一方、骨の形成を促す薬剤として、活性型ビタミンD3製剤は、腸管からのカルシウム吸収を増やし、骨石灰化の促進を介して骨密度を増加させると考えられている。また、長期間の安全性が示されており、椎体以外の骨折抑制効果もメタアナリシスで示されている。

 これらの薬物は、血液検査や尿検査による骨代謝マーカー測定で骨代謝回転率を把握した上で、選択する。

 今回、Wさんに処方された、活性型ビタミンD3製剤のエルデカルシトール(商品名エディロール)は、活性型ビタミンD3の2β位にヒドロキシプロピルオキシ基が導入されており、活性型ビタミンD3誘導体とも呼ばれる。従来の活性型ビタミンD3製剤のカルシウム代謝改善作用を持ちつつ、強い破骨細胞機能抑制効果による骨吸収抑制効果も薬理試験で認められている。

 アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロール他)を対照とした第3相臨床試験(無作為二重盲検並行群間比較試験)では、エルデカルシトール投与群がアルファカルシドール投与群に比べて、3年間の新規椎体骨折の発生率が有意に低かった。さらに、重症の被験者では骨折抑制効果がより顕著であり、一般には骨折抑制効果が表れにくい前腕骨でも骨折発現率が有意に低いことが確認されている。『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版』(ライフサイエンス出版)では、骨密度と椎体骨折に対する推奨グレードは、アルファカルシドールがいずれもBであるのに対し、エルデカルシトールはいずれもAとなっている。

 一方、安全性については、エルデカルシトール投与群がアルファカルシドール投与群に比べて、血中および尿中カルシウム増加の有害事象が多かった。

 禁忌については、エルデカルシトールは、妊婦や妊娠している可能性のある女性または授乳婦には投与できないが、アルファカルシドールは、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、投与すること」とされている。

 ビタミンDの役割としては、他に腎尿細管でのカルシウム・リンの再吸収増加、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌抑制などがある。ちなみに腎不全でビタミンDの活性化障害が起きた場合にも、骨粗鬆症になることも覚えておくとよいだろう。

 活性型ビタミンD3製剤は、一般にカルシウム製剤との併用で高カルシウム血症を誘発する可能性があり、併用注意となっている。服薬指導時には、サプリメントのカルシウム製剤も含め、服用していないかどうかを確認する。

 本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定し、異常が認められた場合は直ちに休薬し、適切な処置を行うこととされている。高カルシウム血症を疑わせる吐き気や下痢、腹痛などが見られたら、医師や薬剤師に報告するよう伝えることが重要である。

こんな服薬指導を

イラスト:加賀 たえこ

 腰痛とは大変ですね。今回Wさんに処方されたエディロールというお薬は、ビタミンDの一種で、骨を丈夫にして骨折を防ぐことが報告されています。ビタミンDを多く取っていると、食事で取ったカルシウムが腸から効率よく吸収されるので、先生は処方されたのだと思います。

 Wさんは以前から、カルシウムのサプリメントを飲んでいらっしゃるのですね。カルシウムのサプリメントとエディロールの両方を一緒に飲んでいても特に問題ないと思いますが、万が一、吐き気や下痢、腹痛など、いつもと違う症状がありましたら、いつでも先生か私どもにご相談ください。

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