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TOPICS
新薬28品目が承認 ほか
日経DI2014年2月号

2014/02/10

日経ドラッグインフォメーション 2014年2月号 No.196

新薬28品目が承認
国内初のSGLT2阻害薬、舌下投与用スギ花粉エキスなど

 厚生労働省医薬食品局は1月17日、新薬28品目を承認した。

 承認されたのは、糖尿病治療薬として注目されるSGLT2阻害薬のうち国内初の承認となったイプラグリフロジン L-プロリン(商品名スーグラ)や、スギ花粉症の減感作療法に用いるスギ花粉エキスとして初めての舌下投与用となる標準化スギ花粉エキス原液(シダトレンスギ花粉舌下液)、肺癌治療薬のアファチニブマレイン酸塩(ジオトリフ)など。

 このほか、勃起不全治療薬(シアリス)または肺動脈性肺高血圧症治療薬(アドルシカ)として販売されているタダラフィルが、前立腺肥大症に伴う排尿障害を効能・効果とする「ザルティア」という商品名で承認された。

 なお、1月24日には厚労省薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会の審議を、2番目のSGLT2阻害薬となるダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(フォシーガ)が通過しており、近く承認される見通しとなっている。

表 1月17日に承認された医薬品(主なものを抜粋)

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武田薬品の新規糖尿病治療薬、GPR40作動薬が開発中止
肝臓における安全性の懸念で

 武田薬品工業は12月27日、2型糖尿病治療薬であるGPR40作動薬ファシグリファムの開発を中止すると発表した。同社によると、これまでの臨床試験結果を第三者の専門家委員会で精査したところ、肝臓における安全性の懸念が見られ、「投与により患者にもたらされる利益が、潜在するリスクを上回ることはない」との結論に達した。肝機能異常の内容については公表していない。

 同薬は膵β細胞表面の受容体に作用しインスリン分泌を増強させる効果がある。これまでの臨床試験では、低血糖リスクが少なく、SU薬と同等の血糖降下作用が得られ、開発に期待が掛かっていた。


「薬局のあるべき姿」報告書が公表
後発品シェア60%超や在宅医療の実績など求める

 日本医療薬学会は1月7日、厚生労働科学研究「薬剤師が担うチーム医療と地域医療の調査とアウトカムの評価研究」の研究班(分担研究者:北里大学薬学部教授の吉山友二氏)がまとめた報告書「薬局の求められる機能とあるべき姿」を公表した。後発品数量シェア60%超を求めるなど、薬局にさらなる努力を求める内容となっている。

 報告書では、「薬局が備えるべき基本的体制」と「薬局における薬物療法(薬学的管理)の実施」に関する事項を具体的に挙げた。前者に関しては、医療機関に合わせた開局時間ではなく、8時~19時の間で8時間以上連続して開局することや、休日・夜間に対応できる体制整備を促している。また、医療・衛生材料の販売、備蓄のない薬品に対する近隣との連携強化、OTC薬の販売、フィジカルアセスメントを含めた能力向上のための学習に積極的に取り組むことなどを求めた。

 後者に関しては、後発品の使用促進に加えて、残薬の確認や調剤量の調整、分割調剤、お薬手帳の積極的な活用、OTC薬販売時の適切な患者情報収集や情報提供、在宅医療への積極的な関与、健康情報拠点としての役割などを求めている。特に在宅医療に関しては「在宅薬剤管理指導を実施していること」と記載しており、実績を強く求めている。


「禁忌」見逃し事例が8件
日本医療機能評価機構が注意喚起

 患者の疾患や病態を把握していたが、添付文書の「禁忌」に記載のあることを知らず、薬剤を投与した事例が8件報告されているとして、日本医療機能評価機構が「医療安全情報No.86」で、添付文書の禁忌事項を確認するとともに、改訂にも注意を払うよう喚起した。

 報告された事例は、重度の腎障害・腎不全で4件(メトホルミン塩酸塩[商品名グリコラン]、レボセチリジン塩酸塩[ザイザル]、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム[ティーエスワン配合]、リン酸二水素ナトリウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウム[ビジクリア配合錠])、パーキンソン病で2件(ハロペリドール[セレネース])、消化管穿孔疑いで1件(硫酸バリウム[バリエネマHD75%])、血友病で1件(パンテノール含有の高カロリー輸液用総合ビタミン剤[ネオラミン・マルチV注射用])の計8件。集計期間は2010年1月1日から13年11月30日まで。

 ビジクリア配合錠の事例では、禁忌項目に「重篤な腎機能障害のある患者」と記載があったが、医師が知らずに処方し、患者は内服した翌日に急性高リン血症、低カルシウム血症によるテタニー症状を来したという。ビジクリア配合錠の添付文書には12年2月に「高血圧症の高齢者」が禁忌項目に追加されている。


薬局の健康情報拠点化、モデル事業に2.4億円を計上
2014年度予算案で厚労省

 厚労省は2014年度予算案で、薬局の健康情報拠点化モデル事業費として2億3928万円を計上した。厚労省は全国の薬局の3分の1程度を「健康づくり拠点薬局」に移行させる方針で、本予算でそのモデルケース作りを進める。

 「健康づくり拠点薬局」は処方箋応需のほか、(1)全ての医薬品供給拠点、(2)住民の健康づくり支援・相談機能、(3)住民自らの健康チェック検査の支援・対応、(4)多職種との連携、(5)在宅医療の取り組み─を行う薬局。モデル事業では、セルフメディケーション推進のための実施計画策定や、健康相談窓口の設置や普及啓発活動を行う。


新型インフル発生時の薬局向け業務継続計画、
日薬が作成例を公表

 日本薬剤師会は1月23日、「新型インフルエンザ等発生時における業務継続計画(案)薬局向け作成例」を公表した。地域の医薬品供給体制維持を目的としたもので、薬剤師2~3人、薬剤師以外1~2人の規模の薬局を想定している。

 内容は、職員向けのワクチン接種に関する覚書を特定の医療機関と取り交わすことや、地域で流行した際にも継続する業務(調剤、OTC薬の販売、感染防止用衛生用品の販売など)と、一定期間規模を縮小する業務(安定した在宅患者への訪問活動)などに分けること、新型インフルエンザ患者の処方箋は代理の者に持参させることなどが記されている。


2014年度の新薬価案固まる
「日本初」の新薬に加算、新規後発品の価格帯も整理

 中央社会保険医療協議会は1月22日、2014年度の新たな薬価算定基準案を了承した。新基準では「先駆導入加算」が設けられ、新規作用機序の新薬で、世界に先駆けて日本で承認を取得した場合、従来の市場性加算(Ⅰ)と同様の10%の加算を導入することが決まった。

 後発医薬品に置き換わっていない先発品の引き下げルールとして、置き換え率20%未満の先発品は2.0%、同40%未満は1.75%、同60%未満は1.5%、それぞれ引き下げる。また、新規後発品の薬価は、最高価格の30%未満、30%以上50%未満、50%以上の3群に分け、それぞれ同一の価格に改める。


月経困難症治療薬、ヤーズ配合錠にブルーレター
血栓症で3例目の死亡例

 厚労省は1月17日、月経困難症治療薬のドロスピレノン・エチニルエストラジオール(商品名ヤーズ配合錠)に関する安全性速報(ブルーレター)の配布を、製造販売元のバイエル薬品に指示した。同薬との因果関係が否定できない血栓症による3例目の国内死亡例が報告されたため。同薬は2013年6月および9月にも同様の死亡例が報告されていた。

 添付文書の警告欄には、下肢の急激な疼痛・浮腫、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害などが出た場合には服用を中止し、救急医療機関を受診するよう患者に説明することが盛り込まれた。


新薬DIピックアップ
レルベア100エリプタ14吸入用、 同200エリプタ14吸入用《2013年12月9日発売》
1日1吸入の喘息用ステロイド・LABA配合吸入薬

 新規の長時間作用型β2刺激薬(LABA)であるビランテロールトリフェニル酢酸塩と、フルチカゾンフランカルボン酸エステルの合剤(商品名レルベア100エリプタ、同200エリプタ)が2013年12月9日に発売された。

 適応は「気管支喘息(吸入ステロイドおよび長時間作用型吸入β2刺激薬の併用が必要な場合)」であり、吸入器エリプタを用いて吸入する。

 本剤の特徴は、効果が24時間持続する点にある。用法・用量は成人の場合レルベア100を1日1回吸入し、症状に応じて、フルチカゾンフランカルボン酸が200μgに増量されたレルベア200を使用する。なお、小児に対する安全性は確立しておらず、開発中の段階である。

 ビランテロールはβ2刺激薬として国内で初の医薬品である。In vitro試験において、ヒトβ1受容体に対するヒトβ2受容体選択性(EC50比)は、ビランテロールが2400、サルメテロールは3000であった。また、β3受容体に対するヒトβ2受容体選択性は、ビランテロールが1000、サルメテロールは2100であった。フルチカゾンフランカルボン酸はアラミスト点鼻液として09年6月に発売されている(吸入薬としては初)。

 海外で気管支喘息患者26人を対象とした無作為化試験で、朝または夜に投与した場合のいずれも、プラセボと比べて有意なFEV1の加重平均値の増加が確認されており、患者の生活に合わせた吸入タイミングで使用可能とされる。

 国内での長期投与試験において、副作用(臨床検査値異常を含む)が26.1%に認められ、口腔カンジダ症10.5%、発声障害6.5%などがあった。

 過量投与を回避するため、1日1回を超えて吸入しないよう指導する必要がある。そのほか、外国人健康成人において高用量で使用した場合にQT延長が認められており、QT延長を来す恐れのある薬剤(抗不整脈薬、三環系抗うつ薬など)との併用にも注意が必要である。

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